STINGタンパク質の驚くべき新機能:細胞の「お掃除係」リソソームの品質管理センサーだった!

STINGタンパク質の驚くべき新機能:細胞の「お掃除係」リソソームの品質管理センサーだった!

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UTSWの研究者による発見が、一部の神経変性疾患の新たな治療法につながる可能性 私たちの細胞の中には、ウイルス感染との戦いを助ける「見張り役」がいます。STINGタンパク質がそれで、炎症を引き起こすことで知られています。しかし、この見張り役には、まったく別の顔があることが分かりました。テキサス大学サウスウェスタンメディカルセンター(UTSW)の研究者たちによると、STINGは細胞内の廃棄物処理システムとして機能するオルガネラの品質管理センサーとしての役割も果たしているというのです。 この研究は2025年4月3日に『Molecular Cell』誌に掲載され、リソソーム蓄積症と呼ばれる疾患群の重要な特徴を解明し、将来的にはこれらの疾患や他の神経変性疾患に対する新しい治療法につながる可能性があります。論文のタイトルは「STING Mediates Lysosomal Quality Control and Recovery Through Its Proton Channel Function and TFEB Activation in Lysosomal Storage Disorders(STINGはリソソーム蓄積症において、そのプロトンチャネル機能とTFEB活性化を介してリソソームの品質管理と回復を仲介する)」です。 「STINGは生得免疫のシグナル伝達タンパク質としてよく知られています。この研究は、STINGの新たな非免疫的な機能を明らかにしたのです」と、研究リーダーであり、UTSWの免疫学教授兼副学部長、微生物学教授でもあるナン・ヤン博士(Nan Yan, PhD)は述べています。 現在、70種類以上のリソソーム蓄積症(LSDs)が知られています。これらの希少な神経変性疾患は、細胞内のオルガネラであるリソソームの機能不全を特徴とします。リソソームは、

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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