カエルの失われた脚を再生することに成功
サイエンス出版部 発行書籍
糖尿病や外傷などにより手足を失った多くの患者にとって、自然再生による機能回復の可能性はまだ手の届かないところにある。足や腕の再生の話は、サンショウウオやスーパーヒーローの世界に留まっている。しかし、タフツ大学とハーバード大学ヴィース研究所の科学者らが、2022年1月26日にScience Advances誌のオンライン版に発表した研究で再生医療の目標に一歩近づいたと述べている。この論文は「ウェアラブルバイオリアクターを用いた急性多剤投与による成体Xenopus laevisの長期的な手足再生と機能回復の促進。(Acute Multidrug Delivery Via a Wearable Bioreactor Facilitates Long-Term Limb Regeneration and Functional Recovery In Adult Xenopus laevis. )」と題されている。 手足を再生することができない成体のカエルに、5種類の薬物カクテルをシリコン製の装着型バイオリアクタードームに注入し、24時間密閉することで、失った足を再生させることに成功したのだ。この短期間の治療で、18ヵ月間の再生が始まり、機能的な脚が蘇った。サンショウウオ、ヒトデ、カニ、トカゲなど、多くの生物が少なくとも一部の手足を完全に再生する能力を持っている。ヒラムシは切り刻むと、その断片ごとに生物全体が再生されることさえある。人間は傷口を新しい組織で塞ぐことができるし、肝臓は50%損傷しても元の大きさに再生するという、ほとんどヒラムシのような驚くべき能力を持っている。しかし、大きくて構造的に複雑な四肢、つまり腕や脚を失った場合、人間や他の哺乳類のいかなる自然な再生過程によっても回復させることはできない。実際、人間は大きな怪我をすると瘢痕組織という無定形の塊で覆い、それ以上の出
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