『原始的な』幹細胞による糖尿病性網膜症の目の血管の再生医療技術に進歩

2020
3月 24
(火)
10:30
再生医療/幹細胞研究のライフサイエンスニュース

『原始的な』幹細胞による糖尿病性網膜症の目の血管の再生医療技術に進歩

ジョンズ・ホプキンス・メディスンの科学者らは、研究室で成人のヒト細胞を元の状態に戻すように誘導し、糖尿病によって引き起こされた網膜の血管の損傷を置換および修復する可能性を解き放ち、生物学的な時計の針を元へ戻したと述べた。
彼らは、この実験的研究から得られた知見は糖尿病性網膜症や他の失明性疾患の経過を逆転させることを目的とした再生医療技術を進歩させると言う。
「我々の研究の結果は、再生医療において幹細胞をより広く使用することに一歩近づいた。そのような細胞を分化させ、癌になることを避けるために我々の分野が経験した歴史的な問題はない」と、ジョンズ・ホプキンス・キンメルがんセンターの腫瘍学およびジョンズ・ホプキンスの細胞工学研究所のメンバー であるElias Zambidis医学博士・准教授は述べた。

ヒト細胞とマウスを使用した実験結果は、2020年3月5日にNature Communicationsでオンラインで公開された。 このオープンアクセスの論文は、「タンキラーゼ阻害剤によって制御されたナイーブ糖尿病ヒトiPSCから生成された血管前駆細胞が虚血性網膜の効率的な血行再建を促進する(Vascular Progenitors Generated from Tankyrase Inhibitor-Regulated Naïve Diabetic Human iPSC Potentiate Efficient Revascularization of Ischemic Retina.)」と題されている。

国立眼病研究所によると、糖尿病性網膜症は、米国の成人の失明の主な原因である。 2050年までに約1460万人のアメリカ人がこの状態になり、網膜で異常な血管の成長が起こり、そこで光が視覚に変換されると推定している。 この研究のために、科学者らは、1型糖尿病の人から採取した線維芽細胞(結合組織細胞)で実験を始めた。

再プログラムされた線維芽細胞は、「幹」細胞として機能し、血管を含む体内のすべての組織を生じさせる可能性がある。 ジョンズ・ホプキンスの研究員であるTea Soon Park 博士は、線維芽細胞幹細胞を再プログラムして、従来のヒト人工多能性幹細胞(iPSC)の状態よりも原始的な受精後約6日目の状態に戻した。
これは、細胞が最も「ナイーブ」であるか、または従来のヒト人工多能性幹細胞よりもはるかに高い効率で特殊なタイプの細胞に発展する能力が高い場合である。 これを行うために、科学者は栄養素と化学物質のカクテルで細胞を浸した。 より良いナイーブ幹細胞を構築するためにカクテルに入れるべきものは、過去10年間で議論の対象となっている。

 

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