ナノテクノロジーで希少疾患に光を:ミルクエクソソームの治療可能性

ナノテクノロジーで希少疾患に光を:ミルクエクソソームの治療可能性

サイエンス出版部 発行書籍

プログラム可能なミルクエクソソームで治療法の新時代を切り開く:Minovaccaの革新 2025年1月16日、ネブラスカ大学リンカーン校の研究者二人が設立したスタートアップ「Minovacca」が、革新的な治療法の開発を目指して注目を集めています。この会社は、ミルク中に含まれる自然由来のナノ粒子「ミルクエクソソーム」を活用し、治療薬、遺伝子編集ツール、プラスミドなどを人間の特定の細胞に届ける新技術を商業化することを目指しています。 ミルクエクソソームとは? エクソソームは細胞間で情報や分子を運ぶナノスケールの小胞であり、ミルク中に自然に存在します。Minovaccaはこのエクソソームを化学的および遺伝的に改変し、標的となる細胞に治療薬を高精度で届ける技術を開発しました。この技術は、一般的な疾患から希少疾患に至るまで、幅広い治療に応用可能であるとされています。 「この技術は非常に汎用性が高いため、特定の希少疾患に限定されません。多くの希少疾患に対応可能であることが、この技術の大きな強みです」と、Minovaccaの共同創設者であり、ネブラスカ大学リンカーン校の栄養・健康科学部教授であるヤノス・ゼンプレンニ(Janos Zempleni, PhD)は述べています。 革新的な技術とその仕組み ゼンプレンニ教授は、ミルクエクソソームの安全性とスケーラビリティを実証し、その後、化学科教授のジアンタオ・グオ(Jiantao Guo)を迎え、エクソソームを標的細胞に正確に届ける方法を確立しました。 この技術は以下のような特徴的な仕組みで成り立っています: 三種のペプチド: エクソソームの膜には3種類のペプチドが付着しています。 ホーミングペプチド: 標的となる体内の特定部位にエクソソームを誘導。 “食べないで”ペプチド: マクロファージによる破壊

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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