「アルメニア病」家族性地中海熱(FMF)とは?UCLAが診断と治療をリード

「アルメニア病」家族性地中海熱(FMF)とは?UCLAが診断と治療をリード

サイエンス出版部 発行書籍

「アルメニア病」と呼ばれる遺伝性疾患—家族性地中海熱(FMF)の診断と治療に挑むUCLAの専門クリニック 幼いアレクサンダーは、夜通し泣き続け、隣人が苦情を言うほどの激しい痛みに苦しんでいました。2〜3カ月ごとに高熱を出し、腹痛や脚の痛みを訴えながらも、数日で回復。しかし、その原因は分からず、小児科や救急外来で「ウイルス感染」と診断され、解熱鎮痛剤(タイレノール) で様子を見るしかありませんでした。 母親のエリザベス・マーファゼリアンさん(Elizabeth Marfazelian)は、医療従事者として働く中で、アレクサンダーと似た症状の患者が「家族性地中海熱(FMF: Familial Mediterranean Fever)」と診断されていることに気づきました。彼女はすぐに息子の遺伝子検査を求め、結果を受けた上司がUCLAヘルスの家族性地中海熱プログラム(FMF Program) を紹介しました。 このプログラムは、FMFを専門に診療する西半球唯一のクリニック であり、適切な診断と治療を受けられずに苦しむ患者を救う役割を担っています。 家族性地中海熱(FMF)とは?—診断の難しさと遺伝的背景 FMFは自己炎症性疾患 に分類され、周期的な高熱、腹痛、関節痛、胸膜炎 などの症状が数日間持続し、自然に治まることを繰り返します。未治療のままだと、腎不全を引き起こすアミロイドーシス などの深刻な合併症を引き起こす可能性があります。 UCLAヘルスのFMFプログラムディレクター、テリー・ゲッツァグ博士(Dr. Terri Getzug) は、次のように説明します。 「患者は発作の間は完全に健康で普通の生活を送ります。しかし、発作が起こると数日間寝込むことになり、頻度は年に数回から週に2回と個人差があります。その間、無駄な検査や不要な手術を受ける患者も多く

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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