南アジア系の2型糖尿病の早発リスク、遺伝的要因が鍵に

南アジア系の2型糖尿病の早発リスク、遺伝的要因が鍵に

サイエンス出版部 発行書籍

南アジア系英国人における2型糖尿病の早発リスクと遺伝的要因:クイーンメアリー大学ロンドンの最新研究 クイーンメアリー大学ロンドン(Queen Mary University of London)の最新研究によると、南アジア系英国人における2型糖尿病(T2D)の早発は、インスリン分泌の低下と健康的でない脂肪分布に関する遺伝的素因が主な要因であることが明らかになりました。これらの遺伝的要因は、糖尿病合併症の進行を加速させ、インスリン治療の必要性を早め、特定の薬剤への反応を低下させる可能性があることも示されています。 この研究成果は、2024年11月26日に学術誌Nature Medicineに掲載され、論文タイトルは「Genetic Basis of Early Onset and Progression of Type 2 Diabetes in South Asians(南アジア系における2型糖尿病の早発および進行の遺伝的基盤)」です。本研究は、異なる集団間での遺伝的多様性が、疾患の発症、治療反応、進行にどのような影響を及ぼすのかを解明する必要性を強く示唆しています。 Genes & Healthプロジェクトによる大規模遺伝データの解析 本研究は、英国バングラデシュ系およびパキスタン系住民6万人以上が参加するコミュニティベースの遺伝研究プロジェクト「Genes & Health」のデータを活用しています。研究者たちは、イギリス国民保健サービス(NHS)の医療記録と遺伝情報をリンクさせ、2型糖尿病を診断された9,771名と、糖尿病のない34,073名のデータを解析しました。 これまでの研究では、南アジア系の被験者が極めて少ないことが課題とされてきました。しかし、本研究では、partitioned polygenic scores(pPS

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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