昆虫も「痛み」を感じる? ベルベットアリの毒が示す侵害受容の共通メカニズム

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ベルベットアリの猛毒が異なる分子経路を通じて昆虫と哺乳類を標的にすることを解明 ベルベットアリ(Velvet Ants)が持つ激痛を引き起こす毒は、昆虫と哺乳類に対して異なる分子経路を利用することが明らかになりました。この発見により、「爆発的かつ持続的」と形容されるベルベットアリの刺傷が、脊椎動物(哺乳類)と無脊椎動物(昆虫)の両方の捕食者から身を守る仕組みが解明されました。 米国の研究者らが行った本研究では、インディアナ大学のW・ダニエル・トレーシー博士(W. Daniel Tracey, PhD)を中心とするチームが、ベルベットアリの毒が異なる分子メカニズムを介して昆虫と脊椎動物の痛覚を刺激することを発見しました。 特に、Do6aと呼ばれる単一のペプチドが、昆虫の痛覚受容体をPickpocket/Balboa(Ppk/Bba)イオンチャネルを介して強力に活性化する一方で、他の毒成分がマウスの痛覚反応を引き起こすことが確認されました。さらに、カマキリを用いた観察によって、ベルベットアリの毒が昆虫の捕食者に対しても有効に機能することが示されました。 この研究は2025年1月20日にオープンアクセス誌「Current Biology」に掲載されました。論文のタイトルは、「Multiple Mechanisms of Action for an Extremely Painful Venom(極めて痛みを伴う毒の複数の作用機序)」です。 ショウジョウバエを用いたベルベットアリ毒のメカニズム解明 動物界では、毒は強力な防御手段として進化してきました。これらの化学カクテルには、数百種類のタンパク質、ペプチド、低分子化合物、塩類が含まれ、捕食者の痛覚経路(侵害受容経路)を標的とすることで防御機能を果たします。 ベルベットアリ(ハチ目: ムチル科, H
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