機械学習で新たな抗生物質を発見:グローバルマイクロバイオームから約100万種の可能性

機械学習で新たな抗生物質を発見:グローバルマイクロバイオームから約100万種の可能性

サイエンス出版部 発行書籍

最新の研究が約100万種類の新規抗生物質の可能性を発見:機械学習の力でグローバルなマイクロバイオームから。 2024年7月11日付のCell誌に掲載された研究によると、最新の機械学習手法により、グローバルなマイクロバイオームから約100万種類の新規抗生物質の可能性がある抗菌ペプチド(AMPs)が特定されました。この革新的な研究は、抗菌ペプチドの発見における機械学習の変革的な可能性を強調しており、抗生物質耐性の増加という課題に対応するための重要なステップとなります。この論文のタイトルは「Discovery of Antimicrobial Peptides in the Global Microbiome with Machine Learning(機械学習を用いたグローバルマイクロバイオームからの抗菌ペプチドの発見)」です。国際的な研究チームは、中国の上海にある復旦大学(Fudan University)の研究者らを中心に行われました。 大規模データ解析 研究者らは、機械学習技術を駆使して63,410のメタゲノムと87,920の原核生物ゲノムを解析しました。これらのサンプルは、世界中の様々な環境および宿主由来の生息地から採取されたもので、グローバルなマイクロバイオームの包括的な解析が行われました。その結果、約100万種類のAMPsが予測され、既知の抗生物質の数を大幅に拡大しました。 抗菌活性の検証 合成された100種類のペプチドのうち、79種類がin vitro(試験管内)で抗菌活性を示しました。その中で63種類のペプチドは、臨床的に重要な薬剤耐性病原体を標的にし、細菌の細胞膜を破壊する強力な抗菌作用を持つことが確認されました。この高い成功率は、機械学習による予測の信頼性と実用性を裏付けるものです。 AMPSphereデータベー

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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