デングウイルスの感染メカニズムを解明、新たな治療法開発の鍵に
サイエンス出版部 発行書籍
デングウイルスの感染メカニズム解明に成功:新たな治療法開発への道を切り開く。 熱帯地域に限られていたデングウイルスなどの蚊媒介ウイルス感染症が世界中に拡大しています。世界保健機関(WHO)によると、デングウイルスは毎年4億人に感染しており、現在のところ有効な治療法は存在しません。そんな中、ストワーズ医学研究所の研究チームは、デングウイルスおよび他の多くのウイルスが宿主内でどのように複製されるかについて新たな発見をしました。この研究は、将来的な抗ウイルス治療薬やワクチンの開発に寄与する可能性を秘めています。 研究の詳細 本研究は、ストワーズ医学研究所のプレドクター研究者ルシアナ・カステジャーノ(Luciana Castellano)と、アリエル・バジーニ博士(Ariel Bazzini, PhD)によって主導され、2024年7月22日に学術誌Molecular Systems Biologyに発表されました。研究によると、デングウイルスのゲノムは、宿主のタンパク質合成装置を利用して自らのタンパク質を作るために、非効率的なコドン(遺伝暗号の「語彙」)を使用していることが判明しました。コドンとは、タンパク質を構成するアミノ酸を指定する3つのヌクレオチドの配列のことであり、遺伝暗号の「単語」とも言えるものです。 研究チームはまた、他の多くのウイルスも同様に、宿主である蚊や人間の中で非効率的な「単語」を使用していることを発見しました。論文のタイトルは「Dengue Virus Preferentially Uses Human and Mosquito Non-Optimal Codons(デングウイルスは人間と蚊の非最適コドンを優先的に使用する)」です。 研究者のコメント 「デングウイルスや他のウイルスが宿主細胞内でどのように振る舞うかがわかった今、これらの致
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