チンパンジーが傷口に昆虫を塗る行動が発見された。新たな医薬品に繋がる可能性も。
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オスナブリュック大学(ドイツ)とオゾーガ・チンパンジー・プロジェクトの研究チームは、チンパンジーが自分の傷や仲間の傷に昆虫を塗る様子を初めて観察した。2022年2月7日にCurrent Biology誌のオンライン版で発表されたこの新発見は、「野生チンパンジーの自己および他者の傷に対する昆虫の適用について(Application of Insects to Wounds of Self and Others in Chimpanzees in the Wild)」と題されている。 ガボンのロアンゴ国立公園では、オスナブリュック大学のトビアス・デシュナー博士(霊長類学者)とシモーネ・ピカ教授(認知生物学者)が率いるオズーガ・チンパンジー・プロジェクトが実施されている。ロアンゴ国立公園では、約45頭のチンパンジーの社会的関係、他のグループとの交流や争い、狩猟行動、道具の使用、認知・コミュニケーション能力などに重点を置いて、その行動を調査している。「昆虫、爬虫類、鳥類、哺乳類など様々な動物種で、病原体や寄生虫に対抗するために植物の一部や非栄養素を用いるセルフメディケーションが観察されている」「例えば、我々の最も近い近縁種であるチンパンジーとボノボは、駆虫効果のある植物の葉を飲み込み、腸内寄生虫を殺す化学的特性を持つ苦い葉を噛んでいる。」と認知生物学者のピカ博士は述べている。 しかし、西アフリカと東アフリカの他の長期的なフィールドサイトからの数十年にわたる研究にもかかわらず、開いた傷口に動物性物質を外用することは、今まで記録されたことがない。「今回の観察は、チンパンジーが定期的に昆虫を捕獲し、開いた傷口に塗布していることを示す初めての証拠となる。我々は今、このような驚くべき行動がもたらす潜在的な利益を調査することを目指している」と霊長類学者のデシュナー博士は述べた。 しかし、
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