単一遺伝子HSD17B2がエリマキシギの交尾行動を決定

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オスのエリマキシギ(ruff sandpiper)は交尾行動において、攻撃性や羽毛の派手さなどにおいて異なる3つのタイプに分類されます。今回発表された新たな研究によると、こうしたオスのタイプ間に見られる顕著な違いを生み出す要因として、HSD17B2という単一の遺伝子が関与していることが明らかになりました。この成果は2025年1月24日号の『Science』誌の表紙記事として掲載され、1つの遺伝子の構造、配列、そして制御の進化的変化が、同一種内における大きな多様性を引き起こす可能性を示しています。 男性ホルモンであるテストステロンは、オスの生殖の発達において重要な役割を果たしています。体の大きさや装飾的な特徴など、さまざまな身体的特性に影響を与えるほか、求愛に関連する社会的行動にも影響を及ぼします。テストステロンの血中濃度は個体間で大きく異なり、その一部は遺伝的要因によると考えられています。しかし、テストステロン濃度の違いと生殖表現型の違いがどのように遺伝子変異と結びついているかを解明するには、さらなる研究が必要です。 マックス・プランク生物知能研究所(Max Planck Institute for Biological Intelligence)のジャスミン・ラブランド博士(Jasmine Loveland, PhD)とその共同研究者らは、顕著なオスの形態的特徴と生殖行動の多様性で知られるシギ科の渡り鳥であるエリマキシギ(学名:Calidris pugnax)を用いて、テストステロンの産生および代謝を調査しました。エリマキシギのオスには、交尾に関して3つの異なるタイプ(モルフ)が存在します。 「インディペンデント(Independent)」型のオスは派手な羽毛を持ち、メスを引き寄せるために縄張りを積極的に防衛します。「サテライト(Satellite)」型のオス
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