キンカチョウは50羽以上の仲間の鳴き声を迅速に記憶できることが判明

キンカチョウは50羽以上の仲間の鳴き声を迅速に記憶できることが判明

もし鳴き鳥たちが「The Masked Singer」(翻訳者注:米テレビシリーズ・芸能人が覆面を身に着けて歌を歌うカラオケ勝ち抜きバトル)の審査員になれば、きっとキンカチョウが番組を牛耳るだろう。 カリフォルニア大学バークレー校の新研究によると、キンカチョウは群れの少なくとも50メンバーの異なる特徴的な音をすばやく記憶できるからだ。Science Advances(2020年11月13日号)に掲載されたこの調査結果では、キンカチョウとして知られる騒々しく赤いくちばしの鳴き鳥は、特定の仲間の独特の歌または呼び掛けに基づいて群れからお互いを選ぶことが示されている。 この論文は「ソーシャルソングバードにおける音声コミュニケーションのための大容量聴覚記憶(High-Capacity Auditory Memory for Vocal Communication in a Social Songbird.)」と題されている。

キンカチョウは、まるで人がどの友人やどの親戚がその声で呼んでいるのかを即座に知ることができるように、言語マッピングで人に近い能力を持っている。 さらに、彼らはお互いのユニークな発声を数ヶ月、そしておそらくもっと長く覚えることができる、と調査結果は示唆している。
「キンカチョウの驚くべき聴覚記憶は、鳥の脳が洗練された社会的コミュニケーションに高度に適応していることを示している」と、この研究の筆頭著者であるカリフォルニア大学バークレー校の心理学、統合生物学、神経科学のFrederic Theunissen 博士は述べている。
Theunissen博士と仲間の研究者らは、純粋にキンカチョウの独特の音に基づいて彼らの仲間を識別する能力の範囲と大きさを測ろうとした。 その結果、一生を共にする鳥のパフォーマンスは予想以上に良かった。
「動物の場合、コホートメンバーの呼び出しのソースと意味を認識するには、複雑なマッピングスキルが必要だ。キンカチョウはこれを明確に習得している。」とTheunissen博士は述べている。

鳥と人の聴覚コミュニケーションの研究のパイオニアであるTheunissen博士は、カリフォルニア大学バークレー校のポスドク研究員であるJulie Elie博士とのコラボレーションを通じて、キンカチョウのコミュニケーションスキルに魅了された。 Elie博士は生まれ故郷のオーストラリアの森でキンカチョウを研究した神経倫理学者である。彼らのチームワークは、キンカチョウのコミュニケーションスキルに関する画期的な発見をもたらした。

 

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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