第5回国際細胞外小胞学会 (ISEV 2016) 年次総会レポート1

第5回国際細胞外小胞学会 (ISEV 2016) 年次総会レポート1

サイエンス出版部 発行書籍

2016年5月4日、国際細胞外小胞学会 (ISEV) は、ロッテルダムにおいて、第5回年次総会 (ISEV 2016) を開き、全体会議ではがん研究分野の権威者2人がプレゼンテーションを行った。 ハンブルク大学 エッペンドルフ メディカル センター, 腫瘍生物学教室の教授であり、Directorを務めるKlaus Pantel, MD, PhDが、「Liquid Biopsy in Cancer (がんの液体生検)」のテーマで語り、また、ニューヨーク市のワイルコーネル大学医学部で教授を務めるDavid Lyden (写真), MD, PhDは、「The Systemic Effects of Exosome-Mediated Metastasis (エキソソームが媒介する転移の全身的な影響)」のテーマで語った。2人の講演は、800人近い参加者が会場をぎっしりと埋めた。 長年にわたり、がん転移を研究しているDr. Pantelが、循環腫瘍細胞 (CTCs)、無細胞DNA (cfDNA)、miRNA、エキソソームを使った非侵襲的な液体生検で、がん検査、がんの早期発見、がんの予後検査、がんの層別化と観察、微小残存がん病巣マーカーの発見、治療標的の確定、耐性メカニズムの解明、効果的な医療介入のガイドライン編成などに向けた効果的な手段を用意することが喫緊に求められていると発言した。がん早期発見に関しては、Dr. Pantelは、「これまでの研究で、非常に侵襲性の強いがんである卵巣がんの患者では、エキソソームの数が増えることが突き止められている」と述べている。また、最近の研究で、グリピカン1がんエキソソームが早期膵がんのバイオマーカーになることが示唆されている。さらに、現在の定説に反することだが、Dr. Pantelの研究グループは、神経膠腫患者の脳外の血行からCTCを見つけており

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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