イヌとヒトで注意力の生涯の変化に共通性見つかる

イヌとヒトで注意力の生涯の変化に共通性見つかる

サイエンス出版部 発行書籍

イヌはヒトの最良の友と言われている。他のペット動物でこれほど人間の生活様式に適応できる動物はいない。オーストリアのVetmeduni Vienna, Messerli Research Instituteの研究チームは、世界で初めてイヌの生涯にわたる注意力の発達や人間とどこまで似ているかを研究した。その結果、イヌの注意力と感覚運動コントロール発達曲線はヒトのそれとかなり似ていた。   その研究結果が、2014年2月7日付Frontiers in Psychologyのオープン・アクセス論文として発表されている。イヌは個性のある動物で、認知力を持つばかりでなく学習能力あるいは訓練能力の高さでよく知られている。しかし、訓練能力を発揮するためには十分な注意力と集中力がなければならない。ただし、イヌの注意力はヒトと同じで加齢とともに変化していく。論文の筆頭著者、Dr. Lisa Wallisと同僚研究者は、Vetmeduni Vienna, Clever Dog Labにおいて、6か月から14歳までのボーダー・コリー145頭を対象に横断調査手法を用いて研究を続け、世界で初めてイヌの注意力が年齢とともにどのように変化していくかを調べた。 イヌの対象物やヒトに対する注意反応の速さが各年齢グループでどのように異なるかを調べるため、研究チームは2種類の実験を行った。第一の実験では、イヌの前に天井から突然子供のおもちゃが垂れ下がってくるようにした。そこで、イヌがこの突然の事態にどれほど機敏に反応するか、また、どれほど迅速にその事態に慣れるか、その時間経過を測定した。最初、刺激に対してどのイヌも同じくらい機敏に反応したが、年齢が高くなるほどこの刺激に興味を失うのも早くなった。第二の実験では、イヌが見知っている人物が部屋に入り、壁にペンキを塗る振りをした。どのイヌも、人物とその手にあるペン

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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