ハチドリの電気がダニの“乗り降り”を制御?驚きの共生メカニズムを解明

ハチドリの電気がダニの“乗り降り”を制御?驚きの共生メカニズムを解明

サイエンス出版部 発行書籍

ハチドリのくちばしに“便乗”して移動するダニが、旅のお供に驚くべき手段を使っていることが明らかになりました――それは「電気」です。ハチドリ・フラワーダニと呼ばれるこれらのダニは、花の蜜を餌とし、特定の種類の花の内部に棲みついています。新たな花を探すとき、彼らはハチドリに便乗して移動しますが、長年にわたり、これらの微小なクモ形類がどのようにして適切なタイミングで花に素早く降り立つのかについて、研究者らの間では明確な説明がありませんでした。 この謎に迫ったのが、コネチカット大学の生態・進化生物学部の准教授であるカルロス・ガルシア=ロブレド博士(Carlos Garcia-Robledo, PhD)を含む研究チームです。彼らの研究結果は、2025年1月27日付で『PNAS』誌に掲載されました。論文のタイトルは「Electric Transportation and Electroreception in Hummingbird Flower Mites(ハチドリ・フラワーダニにおける電気的移動と電気受容)」です。 ガルシア博士は、気候変動に対する生物の進化的・生活史的な反応の一環として、この奇妙な行動を研究しています。 「ハチドリが複数の花を訪れるとき、ダニがくちばしから降りるのは、最初の花に触れたときだけだということに気づきました。それがとても興味深く思えました。」と、ガルシア=ロブレド博士は語ります。「なぜ2番目や3番目の花では降りないのか不思議だったのです。」 長年にわたり、研究者らはこのダニが匂いを手がかりにしているのではないかと考えてきました。しかし、この仮説を検証するためにいくつかの実験を行った結果、ガルシア博士は確信が持てませんでした。 「ダニを実験室に持ち込んで花の匂いを嗅がせてみても、あまり関心を示さなかったのです。匂いが主な手がかりではない

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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