深海生物の生存の秘密:クシクラゲの脂質構造を解明
サイエンス出版部 発行書籍
深海生物のユニークな脂質構造が生存に役立つ 深海の環境は厳しい。光がなく、凍るような冷たい温度、そして上方の水圧が押し寄せる。このような過酷な環境で生きる生物たちは、どのようにして生存しているのか?その適応の秘密とは?カリフォルニア大学サンディエゴ校の化学・生化学の准教授であるイタイ・ブディン博士(Itay Budin, PhD)と全国の研究者らが、クシクラゲ(comb jellies)の細胞膜を研究し、独特な脂質構造が高圧に耐える手助けをしていることを発見しました。この研究は2024年6月27日にScience誌に掲載され、「Homeocurvature Adaptation of Phospholipids to Pressure in Deep-Sea Invertebrates(深海無脊椎動物におけるホスホリピッドの圧力適応)」と題されています。 環境への適応 まず最初に、クシクラゲはクラゲに似ていますが、実際には密接な関係はありません。クシクラゲは「クシクラゲ門(Ctenophora)」に属し、捕食者であり、バレーボール大まで成長し、世界中の海洋でさまざまな深さに生息しています。 細胞膜は、脂質とタンパク質の薄いシートで構成されており、細胞が適切に機能するためには特定の特性を維持する必要があります。極寒の環境で脂質の流動性を維持する「homeoviscous adaptation」が何十年も前から知られていましたが、深海に生息する生物がどのように極端な圧力に適応しているのか、またその適応が寒冷への適応と同じメカニズムかどうかは不明でした。 ブディン博士は大腸菌(E. coli)でhomeoviscous adaptationを研究していましたが、モントレー湾水族館研究所(MBARI)のシニアサイエンティストであるスティーブン・ハドック博士が、クシクラ
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