グルコース欠乏が、ガン細胞を殺傷するフィードバックループを活性化させる
サイエンス出版部 発行書籍
正常細胞と比べて、ガン細胞は並外れた量のグルコースを欲しがるので、それによる細胞代謝の変化は、好気性解糖とか「ワールブルク効果」として現れる。研究者は、ガン治療の標的にこの効果を利用できないかと着目しており、代謝状態が変化したガン細胞において、生化学的シグナルがどのように現れるのかを解析している。興味深い研究として、UCLAの分子生物学と臨床薬理学教授である、トーマス・グレーバー博士に率いられる研究チームが、これまでと逆のやり方を採用している事だ。 つまり、グルコースの代謝が、ガン細胞に現れる生化学的シグナリングに、どのような影響を与えるかという事である。Molecular System Biology誌2012年6月26日号のオンライン版に掲載された研究報告によれば、グレーバー博士等は、グルコース欠乏状態が−この状況がガン細胞からグルコースを奪い取ることになる−活性酸素類の蓄積を誘発し、結果としてガン細胞の死滅に繋がる代謝とシグナル経路の促進ループを活性化する事を明らかにした。この活性酸素類は、ビタミンCのような抗酸化物質の作用対象となる、細胞障害の原因分子やイオンなどである。 本研究は、UCLAの研究チームにより行なわれ、代謝とシグナリングの関係をネットワークレベルで明らかにする、システムバイオロジーの実力を実証するものである。そのチームを構成するのは、UCLAの、クランプ分子イメージング研究所、分子医療研究所、カルフォルニア・ナノシステムズ研究所、ジョンソン総合ガン研究所、イーライ・イーディス再生医学ブロードセンター&幹細胞研究所、そして病理学部と医学研究所に所属する多くの研究者たちである。更には、スローン・ケッターリング記念ガン研究所の、神経学部、ヒト腫瘍学部、発症機序プログラム学部の研究チーム、ヴァイル・コーネル医学校薬理学部の研究チーム等と共同研究体制
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