ヒストンの変異が悪性小児脳腫瘍に関与
サイエンス出版部 発行書籍
小児脳腫瘍の中には、稀に脳幹に発生し致死性が高い症例がある。この腫瘍を研究しているグループが、この小児脳腫瘍症例のほぼ80%に共通して見受けられる遺伝子の変異を明らかにしたが、その遺伝子は、これまで腫瘍とは関連していないと考えられてきたものだった。この遺伝子の変異は、他の悪性小児脳腫瘍にも積極的に関与していることが、初めて明らかになってきた。この新たな知見は、聖ユダ子供病院研究所で実施されている、ワシントン大学小児腫瘍遺伝子研究プロジェクト(PCGP)の研究結果である。 2年以内に患者の90%以上が死亡するこの脳腫瘍については、まだほとんど研究が進んでいなかったが、ようやく重要な研究結果が得られたことになる。この、びまん性内在性橋グリオーマ(以下DIPG)の発生は、ほぼ児童期に限定され、脳や中枢神経系に生じる腫瘍の10-15%を占める。「これらの変異を同定することによって、これまでは外科的治療しかなく、効果的な治療法がなかったDIPGに対して、新たな選択的治療ターゲットが見つかる可能性があるのです。」と聖ユダ神経生物学と脳腫瘍プログラムの共同指導教官で、聖ユダ発達神経学部研究員である、スザンヌ・ベーカー博士は話す。 同博士は、2012年1月29日のNature Genetics誌のオンライン版に発表された本研究の責任著者である。DIPGは、呼吸や頭蓋の底部に位置しており、呼吸や心拍などの生命活動の根幹を司る脳幹部に発生する、大変浸潤性が高い腫瘍である。DIPGは外科的治療では治癒しないが、侵襲性の無い画像装置によって正確に診断される。それが理由でアメリカでは、DIPGのバイオプシが行なわれる事は極めて稀であり、結果として研究が進んでいなかった。腫瘍の発生は、遺伝子の正常な活動が阻害された場合に発生し、細胞増殖が野放しとなり、全身に広がって死をもたらす。DNAを細胞
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