Src抑制因子による脳腫瘍治療の個別化を実現
サイエンス出版部 発行書籍
胚酵素ピルビン酸キナーゼM2(PKM2) が有する新陳代謝における役割は、既によく知られており、ヒトのがんでは高度に発現されている。2011年11月6日付けのNature誌オンラインにて、テキサス大学アンダーソンがんセンターの研究チームは、PKM2ががんの形成に重要な非代謝機能を有することを発表した。「私たちの研究では、PKM2ががんの代謝に重要な役割を担う上に、細胞増殖を調節するという予想外の機能も持ち合わせていることが分かりました。 すなわち、非常に驚くべきことに、PKM2は細胞増殖のための遺伝子転写に、直接関わっているのです。」と、アンダーソン医療部神経腫瘍科准教授のジミン・ルー博士は言う。同研究チームは、PKM2が上皮増殖因子レセプター(EGFR)に欠かせないものであることを実証した。このレセプターはβカテニンを活性化し、それにより遺伝子発現、細胞増殖そして腫瘍の形成を促進する。また、βカテニンのリン酸化と細胞核のPKM2とは、脳腫瘍の悪性度や予後と相関している。そのため、Srcインヒビターを用いた治療のバイオマーカーになる。 研究チームは、PKM2が上皮増殖因子(EGF)に対応して細胞核に移動し、βカテニンに結合することを発見した。βカテニンは、Y333という特定の位置で、c−Srcタンパクによってリン酸分子と3つの酸素原子とが結合されている。この結合はβカテニンの活性化と、それに続くサイクリンD1遺伝子の発現に必要不可欠である。今まで、βカテニンの活性化はWntシグナル経路で調節されていると考えられていたが、今回新しく発見されたβカテニンの活性化はこの経路とは無関係であった。代謝では、PKM2は好気性解糖またはワールブルク効果によって、腫瘍細胞中の糖のプロセシングを促進する。「腫瘍の形成に必要ながん細胞の代謝と周期進行は、従来、主に個別のシグナリング複
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