マウスで加齢に伴う記憶喪失を回復させた研究者ら、人用の経口薬の開発を目指す
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ケンブリッジ大学とリーズ大学の科学者らは、加齢に伴う記憶喪失をマウスで元に戻すことに成功し、この発見は、加齢に伴う人の記憶喪失を防ぐ治療法の開発につながる可能性があると述べている。研究チームは、2021年7月16日にMolecular Psychiatry誌に掲載された研究で、脳の細胞外マトリックス(神経細胞を取り巻く「足場」)の変化が、加齢に伴う記憶の喪失につながるが、遺伝子治療によってこれらを逆転させることが可能であることを示した。このオープンアクセス論文は、「コンドロイチン6硫酸は加齢における神経可塑性と記憶に必要(Chondroitin 6-Sulphate Is Required for Neuroplasticity and Memory in Ageing)」と題されている。 近年、脳の学習・適応能力である神経可塑性や記憶の形成に、ペリニューロナルネット(PNN)が関与していることが明らかになってきた。PNNは、主に脳内の抑制性ニューロンを取り囲む軟骨状の構造体である。PNNの主な役割は、脳の可塑性のレベルをコントロールすることだ。PNNは、ヒトでは5歳頃に出現し、脳内の結合が最適化される可塑性の高まる時期をオフにする。その後、可塑性が部分的にオフになり、脳の効率は上がるが可塑性は低下する。 PNNには、コンドロイチン硫酸と呼ばれる化合物が含まれている。この中には、コンドロイチン4硫酸のように、ネットワークの働きを抑制して神経可塑性を阻害するものと、コンドロイチン6硫酸のように、神経可塑性を促進するものがある。加齢に伴い、これらの化合物のバランスが変化し、コンドロイチン6-硫酸のレベルが低下すると、学習能力や新しい記憶を形成する能力が変化し、加齢に伴う記憶力の低下につながると考えられている。 ケンブリッジ大学とリーズ大学の研究者らは、PNNのコンドロイチ
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