皮膚癌が脳に転移するメカニズムを解明。転移を80%抑制することに成功。
サイエンス出版部 発行書籍
イスラエルのテルアビブ大学の研究者らが、皮膚癌が脳に転移するメカニズムを初めて解明し、既存の治療法で転移を60%~80%遅らせることに成功した。この研究は、テルアビブ大学サックラー医学部のロニット・サッチ・フェイナロ教授(写真右)と博士課程の学生のサビーナ・ポッツィ氏(写真左)が主導したものだ。この成果は、2022年8月18日、Journal of Clinical Investigation(CLI)Insightに掲載された。このオープンアクセス論文は「MCP-1/CCR2軸の阻害は、メラノーマの脳転移の進行に対して脳内微小環境を敏感にする(MCP-1/CCR2 Axis Inhibition Sensitizes the Brain Microenvironment Against Melanoma Brain Metastasis Progression)」と題されている。 「メラノーマ(皮膚癌)患者の90%は、進行すると脳転移を起こす」とサッチ・フェイナロ教授は説明する。「これは不可解な統計だ。肺や肝臓への転移が予想されるが、脳は保護された臓器のはずだ。血液脳関門は有害な物質が脳に入らないようにするものだが、ここではそれが機能せず、皮膚から出た癌細胞が血液中を循環して脳に到達してしまうのだ。我々は、癌細胞が脳の中で "誰と会話して"、脳に侵入していくのかを考えてみた」。 テルアビブ大学の研究者らは、脳転移を起こしたメラノーマ患者において、癌細胞がアストロサイト(脊髄や脳に存在する星型の細胞で、脳内の恒常性、つまり安定した状態を維持する役割を担っている)と呼ばれる細胞を「リクルート」していることを発見した。 「アストロサイトは、例えば脳卒中や外傷の際に真っ先に状況を修正しに来る細胞だ。」とサッチ・フェイナロ教授は言う。「癌細胞は、この細胞と交流し、分子の交換や
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