非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)および非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の遺伝的関連性をマウスモデルで新たに発見
サイエンス出版部 発行書籍
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は、アルコール依存症や他の肝疾患とは無関係に肝臓に脂肪が蓄積される疾患だ。非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は、アルコール依存症や他の肝疾患とは無関係に肝臓に脂肪が蓄積する疾患で、肥満や糖尿病と関連することが多く、メタボリックシンドロームの一つと考えられている。非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)は、炎症を起こすことで進行するが、そのメカニズムは現在のところ不明だ。NASHは、肝不全、肝硬変、肝癌などの重篤な合併症を引き起こす可能性がある。今回、筑波大学を中心とする研究チームは、チロシナーゼ遺伝子に点変異を持つアルビノマウスが、変異のない遺伝子を持つマウスよりもNAFLD/NASHに罹患しやすいことを発見した。 2021年11月8日にScientific Reportsのオンライン版に掲載されたこのオープンアクセス論文は「チロシナーゼ遺伝子座の点変異を有するアルビノマウスは、高コレステロール食によりNASHに罹患しやすい(Albino Mice with the Point Mutation at the Tyrosinase Locus Show High-Colesterol Diet-Induced NASH Susceptibility)」と題されている。 NAFLDの有病率や重症度は民族によって異なることが知られており、ヒスパニック系の人々に最も多いことが知られている。チロシナーゼ遺伝子は、肌の色に影響を与えるメラニンの生成に関与する酵素をコードしている。研究チームは、予備的な計算機解析により、チロシナーゼ遺伝子のさまざまな点変異も民族間で頻度が異なり、ヒスパニック系集団では2つの主要な変異が高い頻度で観察されることを確認した。そこで研究チームは、チロシナーゼ遺伝子の変異が、NAFLDやNASHの罹患率や重症度に影
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