Weill Cornell Medicineの科学者が発見した新しい細胞メッセンジャーは、がん細胞が体内の細胞間送達をどのように行うのかを明らかにするのに役立つかもしれない。 2018年2月19日にNature Cell Biologyに掲載された論文では、非対称フローフィールドフロー分画(asymmetric flow field-flow fractionation : AF4)という最先端の技術が、がん細胞が分泌するDNA、RNA、脂肪、およびタンパク質を含むエキソソームを効率よく分画できることを示している。

 

この技術により、研究者は2つの別個のエキソソームサブタイプを分離し、「エクソメア(Exomeres)」と名付けた新しいナノ粒子を発見することができた。

この論文は「非対称フローフィールドフロー分画による細胞外小胞のサブセットと識別のためのナノパーティクルの同定(Identification of Distinct Nanoparticles and Subsets of Extracellular Vesicles by Asymmetric Flow Field-Flow Fractionation.)」と題されている。また、2018年2月19日にはナノ粒子を識別するためのプロトコルをオンラインで公開した。

「エクソメアが癌細胞によって分泌される最も優勢な粒子であることを発見した。」とシニア著者のDavid Lyden博士、Stavros S. Niarchos小児心臓学教授、Sandra and Edward Meyer Cancer Centerの科学者は語った。 「それらはより小さく、構造的にも機能的にもエキソソームとは異なる。 エクソメアは主に、骨髄や肝臓の細胞と融合し、薬物の免疫機能や代謝を変えることができる。後者の発見は、多くのがん患者が少量の化学療法でも毒性のために耐容することができない理由を説明できるかもしれない。」と報告している。


エキソソームには、直径が60〜80ナノメートルのエキソソーム(Exo-S)、直径が90〜120ナノメートルの大きなエキソソーム(Exo-L)が含まれる。 「エキソソームとエクソメアは、剛性や電荷などの異なる生物物理学的特性を持ち、体内での行動に影響を与える可能性が高い」と、Weill Cornell Medicine小児科の細胞・発達生物学の助教授であるHaiying Zhang博士は述べた。 「エキソソームよりも硬いエクソメアの方が、レシピエント細胞に転移させるためのより効果的なメッセンジャーとして細胞に取り込まれる可能性が高くなる。」


エキソソームおよびエクソメアもまた、がんに影響を及ぼす方法が異なる。エクソメアは、代謝酵素を肝臓に運ぶ。肝臓は、薬物を無毒な形に分解する中心的な器官である。この発見は、エクソメアが肝臓の代謝機能を「再プログラミング」して腫瘍の進行を促進することを示唆している。エクソメアは、血液凝固因子を肝臓に運び、肝臓の正常な凝固調節機能を妨げる可能性がある。対照的に、この研究は、Exo-Sの遠隔転移の役割を支持する一方で、Exo-Lがリンパ節への転移を促進し得ることを示唆している。
「がんは進行中の多臓器関与が必要な真の全身性疾患である。」とLyden博士は強調した。 「腫瘍細胞は3つの異なるナノ粒子を分泌し、異なる器官の細胞を標的にするという我々の発見は、この疾患の重要な側面を反映している。」
コーネル大学は、Nature Cell Biologyの論文に記載されている技術に関し特許を出願した。研究者は、これらの異なるタイプのメッセンジャーがどのように発達するのか、正確にどの分子がどの分子を運んでいるのか、それらの機能が標的臓器部位にどのようにあるかを研究する。 「これらの特徴を理解することで、エクソメアとエキソソームががんを成長させて他の器官にどのように広がり、どのような役割を果たすのか、他の疾患におけるこれらの役割と同様に理解することができるだろう。」とZhang博士は述べた。

エキソソームおよびエクソメアは、リンパ液などの体液中からも検出可能であり、がんなどの早期発見のバイオマーカーの開発を可能にする。 「次の段階は、腫瘍の進行中に転移の標的となる器官の予測に役立つように、血漿試料中のエキソソームおよびエクソメアを測定することである」とLyden博士は述べた。 「これは、がんの生物学をよりよく理解し、治療上の決定を導き、新しい療法を開発するのに役立つだろう。」「私たちが開拓した技術は、複雑なナノ粒子集団の生物学を研究する科学者や臨床医にとって貴重なツールとなるだろう。バイオマーカーとしてそれらを用いた診断テストの開発を助けるかもしれない。」とDr. Zhangは語った。

画像:
メラノーマ腫瘍細胞によって分泌されるエキソソーム(白色球様構造)およびエキソメア(紫色および黄色)。この画像は、ナノ粒子を視覚化するために高解像度イメージングを使用する原子間力顕微鏡を用いて撮影された。 (クレジット:分子細胞学センター、Memorial Sloan Kettering Cancer Center)


【BioQuickNews:Cutting-Edge Technology Enables Identification of Novel Nanoparticles (Exomeres) Released by Cancer Cells and Similar to Exosomes, But Smaller and with Different Functions

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