神経コード入りの人工網膜でマウスの視力回復
サイエンス出版部 発行書籍
ニューヨーク・ワイルコーネル医科大学の研究員二人がマウスの網膜の神経コードを解読し、その情報を元に盲目のマウスの視力を回復する新たな人工器具を開発した。研究者達はまた、サルの網膜――ヒトの網膜と基本的に同一である――のコードも解読し事を明らかにし、それにより盲目者用の器具も開発し、テストする予定である。 2012年8月13日付けのPNAS誌に掲載された本研究は、視力回復において著しい進歩である。現在の補助器は盲目のユーザーをナビゲートするために、光のスポットとエッジを提供するのに対し、この新しい補助器は通常の視力を回復するためのコードを提供するのである。このコードは非常に正確で、顔の特徴を識別し、動物が動画像を追跡することが可能になる。主任研究員のシェイラ・ニーレンバーグ博士(計算神経科学者)は、盲目者がスタートレックに出てくる様なバイザーを装着することが可能になる日を目指している。バイザーのカメラが光をキャッチし、これを内蔵されているコンピューターチップがコードに書き換え、脳がそれを画像に変えるのである。 「我々は盲目のマウス網膜の視力を回復することに成功し、ヒトでもこれが可能になるよう最大限の努力をしています。これはとてもエキサイティングな事ではないですか。」と、ワイルコーネル大学生理学・生物物理学科および計算生医学研究所の教授を努めるニーレンバーグ博士は語る。本研究の共同著者であるチェタン・パンダリナス博士はニーレンバーグ博士の同期で、現在はスタンフォード大学のポスドク研究員として研究を続けている。今回の新たなアプローチは、世界中の網膜疾患による失明で苦しんでいる25万人に新たな希望を提供するものである。薬物療法はこれらの人々のごく一部しか助けられないため、将来の視覚のためには補助器が最良の選択肢である。「これはコードが組み込まれているため、通常または通常に
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