ネアンデルタール人とデニソワ人の血液型が解読され、遺伝的多様性の低さ、人口動態の脆弱さ、アフリカ起源の可能性を裏付ける結果に。
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フランスの生物文化人類学研究ユニット(CNRS / エクス・マルセイユ大学 / EFS)の研究チームは、3体のネアンデルタール人と1体のデニソワ人の血液型を分析し、アフリカ起源、ユーラシア大陸への拡散、初期のホモ・サピエンスとの交配に関する仮説を確認した。また、遺伝的多様性が低く、人口統計学的に脆弱である可能性を示す証拠も発見された。この研究成果は、2021年7月28日にPLOS ONEのオンライン版に掲載された。このオープンアクセス論文は、「ネアンデルタール人とデニソワ人の血液型を解読(Blood Groups of Neandertals and Denisova Decrypted )」と題されている。 ネアンデルタール人とデニソワ人の絶滅したヒト科の系統は、30万年前から4万年前までユーラシア大陸全体に存在していた。ネアンデルタール人とデニソワ人の約15人の遺伝子配列が明らかになっているにもかかわらず、血液型の基礎となる遺伝子の研究はこれまで軽視されてきた。しかし、血液型は人類学者が人類の集団の起源、移動、交配を復元するための最初のマーカーとなった。 フランス国立科学研究センター(CNRS)、エクス・マルセイユ大学、フランス血液研究所(EFS)の研究者らは、10万年前から4万年前に生きていたデニソワ人とネアンデルタール人の女性3人のゲノム配列を調べ、血液型を特定して、人類の進化の歴史について考察した。約40種類の血液型が知られているが、研究チームは、通常、輸血用に考えられているABO(A、B、AB、Oの血液型を決定する)とRhの7つの血液型に注目した。 今回の発見は、これまでの仮説を補強するものであると同時に、新たな驚きでもある。これまで、チンパンジーがA型、ゴリラがB型であるように、ネアンデルタール人はすべてO型であると考えられてきたが、研究者らは、これらの
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