癌由来の細胞外小胞のパルミトイル化タンパク質によるリキッドバイオプシーの可能性が示唆された

癌由来の細胞外小胞のパルミトイル化タンパク質によるリキッドバイオプシーの可能性が示唆された

サイエンス出版部 発行書籍

腫瘍細胞によって血流に放出され、癌の転移を促進する、細胞外小胞(EV:extracellular vesicles)と呼ばれる粒子内のタンパク質に光を当てた新しい研究が報告された。 この調査結果は、これらの 細胞外小胞を含む血液検査が、将来の癌の診断にどのように使用され、侵襲的な外科的生検の必要性を回避できるかを示唆している。ロサンゼルスのシーダーズ・サイナイ病院で外科と生物医学および病理学と臨床検査医学の教授である Dolores Di Vizio博士(写真)によると、この研究は細胞外小胞内のパルミトイル化タンパク質として知られている物質の大規模分析であるという。Di Vizio博士は、2020年6月10日にJournal of Extracellular Vesiclesのオンラインで発表した共同研究者だ。   このオープンアクセスの論文は、「包括的なパルミトイル-プロテオミクス分析により、癌由来の大小の細胞外小胞の異なるタンパク質シグネチャが特定される。(Comprehensive Palmitoyl-Proteomic Analysis Identifies Distinct Protein Signatures for Large and Small Cancer-Derived Extracellular Vesicles.)」と題されている。細胞外小胞は、タンパク質やその他の生物学的に重要な分子を含む可能性があるため、この10年間で大きな注目を集めている。 細胞外小胞は体内の離れた部位に癌が転移するのを助けることが知られているが、これがどのように起こるかは正確には明らかではない。 このプロセスを詳細に知るために、Di Vizio 博士と研究チームは、酵素が脂質分子をタンパク質に転移させるパルミトイル化と呼ばれるプロセスを調査した。 パルミトイル化は、タン

Life Science News from Around the Globe

Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

バイオクイックニュースは、サイエンスライターとして30年以上の豊富な経験があるマイケルD. オニールによって発行されている独立系科学ニュースメディアです。世界中のバイオニュース(生命科学・医学研究の動向)をタイムリーにお届けします。バイオクイックニュースは、現在160カ国以上に読者がおり、2010年から6年連続で米国APEX Award for Publication Excellenceを受賞しました。
BioQuick is a trademark of Michael D. O'Neill

LinkedIn:Michael D. O'Neill