なぜ私たちは年を取るのか? 何世紀にも渡り研究されているが(そしてアンチエイジングは巨大な産業でもあるが)、年齢とともに細胞や臓器が劣化する要因はまだほとんど解っていない。一つ知られているファクターは温度である。多くの動物種は、より高い温度よりも低い温度でより長く生きる。
シカゴ大学の関連組織であるマサチューセッツ州ウッズホールの海洋生物学研究所(MBL)の助教授であるKristin Gribble博士(写真)は、「毎日冷たいシャワーを浴びると、寿命を延ばすことができると強く信じている人々がいる」と述べている。しかし、Gribble博士の新研究では、単にサーモスタットを下げるだけではないことを示している。 むしろ、温度が寿命に影響を及ぼす度合いは、個体の遺伝子に依存する。
Experimental Gerontology(114:99-106; 2018)に掲載されたこの新しい研究論文は、「寿命延長と老化の併発性変化は、低温に対応した加齢の能動的調節を示唆する(Congeneric Variability in Lifespan Extension and Onset of Senescence Suggest Active Regulation of Aging in Response to Low Temperature.)」と題されている。
Gribble博士の研究は、100年以上の老化研究に用いられてきた小動物のワムシ類で行われた。Gribble博士のチームは、生存期間延長のメカニズムが純粋に熱力学的応答であるならば、全ての株が同様の寿命を増加させるはずであるという仮説を立てて、11種の遺伝的に異なるワムシ(ツボワムシ)を低温にさらした。しかし、寿命の中央値は6%から100%の範囲で増加した。 彼らは死亡率の差も観察した。
この研究は、1950年代からこの分野を支配してきたフリーラジカルの老化理論における温度の役割を明らかにするものだ。 この理論は、正常な代謝プロセスによって生成される酸素の一種である反応性酸化種(ROS)による細胞損傷の蓄積のために動物が老化することを示している。
これまで一般に、体温が低温になると受動的に代謝率が低下し、ROSの放出が遅くなるため、細胞の損傷が遅くなり、老化が遅れ、寿命が延びると考えられてきたが、彼女の研究結果は、低温下での寿命の変化が特定の遺伝子によって積極的に制御される可能性が高いことを示している。
Gribble博士は「これは、加齢による治療への反応を考える際に遺伝的変動にもっと注意を払う必要があることを意味している。これらの治療法を人間に応用する場合、これは本当に重要になるだろう。」と語っている。
【BioQuick News:Lifespan Extension at Low Temperatures Is Actively Controlled by Genes, Not by Passive Lowering of Metabolic Rate Reducing Reactive Oxygen Species (ROS), New Study Suggests】



