LC-MS分析で食物摂取のタイミングが結核治療の効果に影響することを突き止める
サイエンス出版部 発行書籍
結核治療の初期段階で食物摂取のタイミングが治療効果に思わしくない影響を及ぼすことがある。2014年9月7日にドイツのミュンヘンで開催されたEuropean Respiratory Society (ERS) International Congressでプレゼンテーションされた新しい研究によると、結核治療薬服用直前に食物を食べると薬の効果が弱まる可能性がある。研究チームは、初めて結核の治療を受けるという患者20人を対象に簡単な研究を行った。 患者にはisoniazid、rifampicin、pyrazinamide、ethambutolなど、ごく一般的な結核治療薬が与えられた。治療薬は初日は注射で、2、3日めは経口で、絶食中または高炭水化物食と一緒に投与した。各患者から血液サンプルを採取、LC/MS/MSと呼ばれる分析化学テクニックでサンプルを分離、サンプル中の化学物質を調べた。このテクニックは、医薬品の濃度と循環器系に届いた元のままの医薬品の比率を評価することができる。 次に、同じ患者、同じ実験条件で食物摂取のタイミングだけを変えて実験を繰り返し、血液サンプルを採取した。実験の結果、高炭水化物食と共に治療薬を投与した場合、絶食中に投与した場合に比べると、isoniazid、rifampicin、pyrazinamideの血中濃度は低くなっていた。このことから、治療薬投与直前に高炭水化物食を食べると治療薬の効果が薄れることが考えられる。首席著者は、当時インドネシアのUniversitas Gadjah Mada在籍であり、現在はUniversity of GroningenでPh.D.プログラムを間もなく終えようとするAntonia Morita Iswariで、その論文の中で、「研究は同じ患者を対象に同じ環境で実施された。この中で変数は食餌だけであり、従って食物が医薬
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