肺がんを死滅させる放射線治療の能力を高めるダイズ
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肺癌研究に関する国際学会の公式月刊誌「The Journal of Thoracic Oncology」(2011年4月号)の中で、ダイズ中の物質が肺癌細胞を死滅させる放射線の能力を高めることがわかった。とウェイン州立大学によって発表された。ウェイン州立大学の医学部Dr. Gilda Hillman准教授(Karmanos癌研究所)は次のように語った「私たちは肺癌の放射線治療能力を向上させるためにダイズイソフラボンと呼ばれる天然のダイズの非毒性物質について研究している。
これらが癌細胞に対する放射線の効果を高めて正常な肺細胞を放射線傷害から保護する。」彼はこの研究チームを導いたが、さらに続けて述べている「癌細胞には細胞自身を防御するメカニズムを活性化して生き残ろうとする機能が備わっている。しかし天然のダイズイソフラボンは、癌細胞の生き残る機能を阻害して放射線治療の効果を高める。」
「ダイズイソフラボンは抗酸化物質として作用し、放射線治療の意図しない損傷から正常な組織を保護する」Dr. Hillman氏と彼女のチームは、ダイズイソフラボンがDNA修復メカニズムの阻止を介して放射線による癌細胞の死滅効果を高めることを示した。放射線による傷害から生存する癌細胞によって、DNA修復メカニズムがスイッチオンされることである。
放射線照射前にダイズイソフラボンで処理したヒトA549非小細胞肺癌(NSCLC)細胞は、放射線だけ照射した細胞よりもDNA損傷が大きく、修復活性が低かった。研究者らはゲニステイン(genistein)、ダイゼイン(daidzein)、グリシタイン(glycitein)のようなダイズの主なイソフラボン3種類で構成される製剤を使用した。
以前の研究では、純粋なゲニステインがヒトNSCLC細胞株で抗腫瘍活性を示し、上皮細胞増殖因子レセプター(EGFR)チロシン・キナーゼ抑制物質の作用を強化することを証明した。
Dr. Hillman氏の研究は、大豆混合物が純粋なゲニステインよりもさらに強い抗腫瘍能を持つことを示した。大豆混合物は、安全であることが示されており、臨床研究にて使用される大豆イソフラボン錠剤と一致している。
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