赤血球に入って広がる致死性のサケ・ウイルス
サイエンス出版部 発行書籍
最近の研究で、タイセイヨウサケと伝染性サケ貧血 (ISA) ウイルスとの間の相互作用がインフルエンザ様疾病、ISAの発症と伝染につながる仕組みが明らかにされている。この新発見は、2013年4月10日付のプレスリリースで発表されており、インフルエンザ研究一般にも応用できる可能性がある。ISAは1984年にノルウェーで初めて見つかり、今でも養殖水産業にとって深刻な脅威になっているが、養殖タイセイヨウサケの疾病としては、国際獣疫事務局に登録されている唯一の疾病である。 この病気は通常一つのケージで発生し、何週間、何か月という期間で隣接するケージに広がっていく。また、この病気の治療法がまだ見つかっておらず、ISAが蔓延すると養殖業者にとって莫大な損失につながりかねない。 Maria Aamelfotは、博士論文の中でこの病気の進展をいくつかの段階にわたって説明している。彼女は、どのタイプの細胞がウイルスに対する受容性が高く、どの細胞が現実にウイルスに感染するのかを研究した。その研究で、ISAウイルスが特定の細胞、組織、器官に感染し、損傷させる能力があることを明らかにしている。サケとISAウイルスとの間の相互作用の研究は、ISA発症後の病状変化について新しい知識をもたらしたばかりか、この疾病の予防法を探求する上で重要な手がかりも与えてくれている。ウイルスは生命体に入り込む際にその生命体の細胞や器官に接着し、その細胞や器官を入り口として生命体に入り込み、感染するが、Aamelfotは、ウイルスが接着する細胞や器官を判定する手法を編み出した。ウイルスが細胞に感染するためには、細胞の表面にそのウイルスに対応した受容体 (結合構造) がなければならない。ウイルスも種ごとに特定の受容体があり、鍵と鍵穴のように細胞のその特定受容体に結合する。サケの場合、ISAウイルスの受容体は、内皮細
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