新発見「リポカートリッジ」:気泡緩衝材のような超安定な軟骨組織

サイエンス出版部 発行書籍
「リポカートリッジ」:気泡緩衝材のような超安定・柔軟な軟骨組織を発見 カリフォルニア大学アーバイン校(University of California, Irvine)の研究者らが率いる国際研究チームは、再生医療や組織工学の進歩に大きく貢献する可能性を持つ新たな骨格組織のタイプを発見しました。通常の軟骨は、外部の細胞外マトリックス(ECM)に依存して強度を保ちます。しかし、今回発見された「リポカートリッジ(lipocartilage)」は、耳、鼻、喉などの哺乳類の組織に存在し、脂肪を蓄えた細胞「リポコンドロサイト(lipochondrocytes)」によって内部から安定した支持構造を形成しています。これにより、リポカートリッジは気泡緩衝材のように柔らかく弾力性があるという特徴を持ちます。 この研究は、2025年1月9日に学術誌「Science」にオンライン掲載されました。論文のタイトルは、 「Superstable Lipid Vacuoles Endow Cartilage with Its Shape and Biomechanics(超安定な脂質液胞が軟骨の形状と生体力学的特性を付与する)」です。 研究によると、リポカートリッジの細胞は独自の脂質貯蔵システムを維持し、そのサイズを一定に保つことが分かりました。通常の脂肪細胞(アディポサイト)とは異なり、リポコンドロサイトは食事による脂肪の増減に影響を受けず、縮小や膨張を起こさないのが特徴です。 カリフォルニア大学アーバイン校の発生・細胞生物学教授であり、本研究の責任著者であるマクシム・プリクス博士(Maksim Plikus, PhD)は次のように述べています。 「リポカートリッジの柔軟性と安定性は、耳たぶや鼻先のような弾力性が求められる部位に最適な特性をもたらします。これは、再生医療や組織工学の分野で非
医学系国際学会における英語ポスター発表をサポートします 。
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