ミツバチを迷子にするウイルスから守る植物化合物が発見された
サイエンス出版部 発行書籍
世界各地でミツバチが大量に死滅している。この死滅は、ミツバチを殺したり、採餌後に巣に戻ってくる能力を損なったりする致命的なウイルスが原因のひとつである。しかし、2021年9月28日にiScienceのオンライン版に掲載された研究によると、安価で自然に存在するある化学物質が、ミツバチへのウイルスの影響を防いだり逆転させたりする可能性があることを示している。感染前にこの化合物を与えられたハチは、5日後にウイルスに感染せずに済む可能性が9倍高かった。また、ハチの巣をリアルタイムで監視することで、この化合物を与えられたハチは、1日の採餌の終わりに巣に戻る可能性が高いことも示された。このiScience誌に掲載されたオープンアクセス論文は、「ヒストン・デアセチラーゼ・インヒビター処理後の変形翅ウイルス感染ハチの採餌行動のリアルタイム・モニタリング(Real-Time Monitoring of Deformed Wing Virus-Infected Bee Foraging Behavior Following Histone Deacetylase Inhibitor Treatment)」と題されている。 変形翅ウイルスは、バローアダニという寄生虫によって媒介され、ミツバチのライフサイクルを通じて感染する。重度に感染したハチは、数日以内に死亡するか、翼の発達が悪くなって飛行や採餌の能力が損なわれる。また、これまでの研究では、このウイルスがミツバチの学習能力や記憶力を低下させ、餌を探した後に家を見つける能力に影響を与える可能性があることがわかっている。迷子になったハチは死ぬ可能性が高く、餌が不足してコロニーが最終的に崩壊する可能性もある。 「病原体はミツバチにとって間違いなくストレス要因だ」「しかし、養蜂家は食品の安全性を考慮して、農薬を使いたくない。そこで、我々は、ミツバチ
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