アルツハイマー病の進行を抑制する鍵—ミクログリアと細胞ストレスの新たな関係を解明

アルツハイマー病の進行を抑制する鍵—ミクログリアと細胞ストレスの新たな関係を解明

サイエンス出版部 発行書籍

アルツハイマー病の進行を遅らせ、さらには逆転させる可能性のある新たな治療標的を発見 ニューヨーク市立大学大学院センター先端科学研究センター(Advanced Science Research Center at the City of New York Graduate Center, CUNY ASRC)の研究者らは、脳内の細胞ストレスがアルツハイマー病(AD)の進行とどのように関連しているかを解明しました。本研究は2024年12月23日付で『Neuron』誌に掲載され、「A Neurodegenerative Cellular Stress Response Linked to Dark Microglia and Toxic Lipid Secretion(神経変性を伴う細胞ストレス応答—ダークミクログリアと毒性脂質分泌との関連)」というタイトルで発表されました。 本研究では、脳の主要な免疫細胞であるミクログリアが、アルツハイマー病の進行において保護的な役割と有害な役割の両方を担っていることを明らかにしました。ミクログリアは「脳の第一応答者」とも呼ばれ、アルツハイマー病の病理において重要な因果細胞として注目されています。しかし、一部のミクログリアは脳の健康を守る一方で、他のミクログリアは神経変性を悪化させることが知られています。この異なるミクログリア集団の機能的違いを解明することが、本研究の主著者であり、CUNY ASRC神経科学イニシアティブおよびCUNY大学院センター生物学・生化学プログラムの教授であるピナー・アヤタ博士(Pinar Ayata, PhD)の研究テーマとなっています。 「アルツハイマー病において有害なミクログリアとは何か、そしてそれをどのように治療標的とすることができるのかを明らかにすることを目指しました。」とアヤタ博士は語ります

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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