昆虫の常識を覆す!「赤い色」が見えるコガネムシの驚くべき能力とは?

昆虫は一般的に「赤い色」を認識できない、という話を聞いたことはありますか?彼らの多くは、私たち人間とは全く違う色の世界を見ています。しかし、ここで一つの疑問が浮かびます。ミツバチなどの昆虫が、ポピーのような真っ赤な花に集まっている光景を見たことはないでしょうか。実はこれ、彼らは花の色ではなく、花が反射する紫外線(UV)に引き寄せられているのです。 ところが、この昆虫界の常識を覆す驚きの発見がありました。国際的な研究チームが、本当に「赤い色」を見て、それに惹かれるコガネムシの仲間を見つけ出したのです。一体どんな昆虫が、どのようにして私たちと同じように赤い世界を認識しているのでしょうか?この記事では、花と昆虫の間に隠された、進化の新たな謎に迫ります。 昆虫界の常識を覆す発見 昆虫の目は一般的に、紫外線、青色、緑色の光に敏感です。一部の蝶を除いて、彼らは赤色を見ることができません。それにもかかわらず、ハチや他の昆虫はポピーのような赤い花にも引き寄せられます。しかしこの場合、彼らはその赤い色に惹かれているのではなく、ポピーの花が反射する紫外線を認識しているのです。 しかし、地中海東部地域に生息する2種のコガネムシは、確かに赤色を認識できることを、国際的な研究チームが示すことに成功しました。そのコガネムシとは、コガネムシ科(Glaphyridae)に属するPygopleurus chrysonotusとPygopleurus syriacusです。彼らは主に花粉を食べ、ポピーやアネモネ、キンポウゲといった赤い花を好んで訪れます。 コガネムシは長波長の光に対する光受容体を持つ 「私たちの知る限り、コガネムシが実際に赤色を認識できることを実験的に証明したのは、私たちが初めてです」と、ドイツ、バイエルン州にあるユリウス・マクシミリアン大学ヴュルツブルク(JMU)
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Edited by Michael D. O'Neill
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