RNA干渉の中心因子AGO2の構造を解明:RNA切断メカニズムの新展開
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RNA干渉の仕組みを明らかにする構造解析:Argonaute2のRNA切断メカニズムを解明 マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者たちは、分子生物学の最も複雑なプロセスの一つである、ヒトArgonaute2(AGO2)によるRNA切断の詳細を明らかにしました。この研究は、RNA干渉(RNAi)の中心的な役割を担うAGO2の構造を解明することで、RNAベースの高度な治療法の開発に新たな可能性をもたらします。研究成果は2025年1月に「Cell Reports」に掲載され、論文タイトルは「The Structural Basis for RNA Slicing by Human Argonaute2(ヒトArgonaute2によるRNA切断の構造基盤)」です。 RNA干渉の主要因子AGO2 RNA干渉は、小さなRNA分子が標的RNAをガイドし、相補的なRNA配列をサイレンシングする経路です。ヒトには4つのArgonauteタンパク質がありますが、このうちAGO2だけがRNAを切断するエンドヌクレアーゼ活性を持っています。この特異的な能力により、非常に高い精度で遺伝子をサイレンシングします。 RNA干渉は、遺伝子発現の調節やウイルス感染防御、内因性トランスクリプトの制御において重要な役割を果たしており、siRNAベースの治療法の基盤となっています。しかし、AGO2の切断活性の構造的な基盤はこれまで未解明の部分が多く残されていました。 クライオ電子顕微鏡を用いた構造解析のブレークスルー 研究チームは、クライオ電子顕微鏡を用いてAGO2が完全に対をなしたRNA二本鎖に結合した状態を解析し、切断に適した構造を高解像度で明らかにしました。この解析によって、以下の重要な構造的変化が特定されました: Nドメインの移動: Nドメインが大きく動き、RNA二本鎖のための経路を
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