エボラワクチンの効果をカニクイザルで証明

エボラワクチンの効果をカニクイザルで証明

サイエンス出版部 発行書籍

新しい実験的なプラットフォームを採用して構成されたエボラ全ウイルス・ワクチンが致死率の高いエボラウイルスに接触したサルを効果的に保護することが証明された。2015年3月25日付Scienceオンライン版に掲載された論文に詳述されたこのワクチンは、鳥インフルエンザ、エボラなど重要なウイルス研究の権威である河岡義裕博士の率いる研究チームによって開発された。   このワクチンは不活性化された全ウイルスワクチンというところが他のエボラワクチンと異なっており、タンパク質や遺伝子を含めたエボラウイルス総体が宿主の免疫系を刺激するため、防御機能をより高めることが考えられる。UW-Madison School of Veterinary MedicineのProfessor of Pathobiological Sciencesであり、東大医科学研究所教授も務める河岡博士は、「効力という面ではこのワクチンは優れた防御機能を有しており、同時に非常に安全なワクチンでもある」と述べている。このワクチンは、2008年に河岡研究室のDr. Peter Halfmann研究員が初めて試験的に開発したプラットフォームに基づいて構成された。 このシステムは、エボラウイルスが宿主細胞内で繁殖するために必要なタンパク質をつくるVP30という重要な遺伝子を取り除いてあるため、研究者も安全にこのウイルスを扱うことができる。エボラウイルスはほとんどのウイルスと同じように8個の遺伝子しか持っておらず、成長し、感染するためには宿主細胞の分子機構を利用しなければならない。サルの腎細胞の遺伝子組換えでVP30タンパクを発現させることで、研究室でウイルスを安全に研究し、全ウイルス・ワクチンのような対抗策をつくり出す基礎にすることができる。また、Science掲載の研究論文によれば、河岡博士と同僚研究者チームは過酸化水素

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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