社会・環境シグナルに反応して攻撃性を抑制するnervy遺伝子をミバエで発見。
サイエンス出版部 発行書籍
攻撃的な行動を引き起こす脳のメカニズムは、よく研究されている。しかし、闘争を止めるべき時を体に伝えるプロセスについては、あまり理解されていない。このたび、ソーク大学の研究者らは、ミバエの攻撃性を抑制するのに重要な役割を果たす脳内の遺伝子と細胞群を特定した。この研究成果は、2022年9月7日にScience Advances誌に掲載され、時に攻撃性や戦闘性の増加といった行動の変化を引き起こすパーキンソン病などの疾患への示唆を与えている。このオープンアクセス論文は「経験依存的攻撃性抑制の神経遺伝学的メカニズム(A Neurogenetic Mechanism of Experience-Dependent Suppression of Aggression)」と題されている。 「我々は、通常、高いレベルの攻撃性を表現することを妨げている脳内の重要なメカニズムを発見した。今回の発見はミバエでのものだが、少なくとも分子レベルでは、ヒトでも同じメカニズムが働いている可能性があり、多くの精神疾患をより良く説明するのに役立つと思われる。」と、ソーク大学分子神経生物学研究所の朝比奈 健太 准教授は語っている。 デエスカレーションとは、戦いを止めるタイミングを判断することであり、生存に不可欠な行動である。なぜなら、動物はライバルと遭遇したときのコストと利益に応じて攻撃性を調整し、ある時点で戦い続けることはもはや価値がないことになるからだ。例えば、満腹になると食べるのを止めるように、明確なきっかけがあるわけではないので、「そろそろやめようかな」というタイミングを見極めるのは難しい。 この研究では、通常のショウジョウバエ(Drosophilia) と、さまざまな遺伝子を欠いたショウジョウバエの行動が比較された。特に、この種の典型的な攻撃行動であるオス同士の突進の頻度を調べた。その結果、「n
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