コリンエステラーゼ阻害薬、レビー小体型認知症に対する長期的な認知機能向上効果を示唆
サイエンス出版部 発行書籍
コリンエステラーゼ阻害薬がレビー小体型認知症(DLB)に認知機能維持効果、カロリンスカ研究所の10年間追跡調査。 レビー小体型認知症(DLB)は、アルツハイマー病やパーキンソン病といった他の神経変性疾患と特徴を共有し、認知症の中でも2番目に多い病気です。しかし、DLBの治療に関する長期研究は少なく、そのため治療選択肢は限られています。2024年8月23日にスウェーデンのカロリンスカ研究所の研究チームが発表した新しい研究は、DLBの治療におけるコリンエステラーゼ阻害薬(ChEIs)の潜在的な効果について示唆を与え、今後の治療ガイドライン改訂への期待が高まっています。 この研究結果は、アルツハイマー協会の学術誌Alzheimer’s & Dementiaに「Long-Term Effects of Cholinesterase Inhibitors and Memantine on Cognitive Decline, Cardiovascular Events, and Mortality in Dementia with Lewy Bodies: An Up to 10-Year Follow-Up Study(コリンエステラーゼ阻害薬とメマンチンがレビー小体型認知症に与える認知機能低下、心血管イベントおよび死亡率への長期効果:最大10年間の追跡研究)」と題して発表されました。 DLBは、認知症症例の約10〜15%を占め、睡眠、行動、認知機能、運動、自律神経の調節に影響を与える病態です。DLBに対する認可された治療薬は存在しないため、アルツハイマー病の治療に用いられるコリンエステラーゼ阻害薬(ChEIs)やメマンチンがよく処方されています。しかし、これらの薬剤がDLBに対して有効であるかどうかは、現在まで一貫した臨床試験の結果が出ておらず、特に長期的な治療
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