スミソニアンの科学者のグループは両生類に急速に伝染するツボカビ病がパナマのDarien地域近傍まで広がってきた事を確認した。この地域はツボカビ病が発生していない唯一の亜熱帯山岳地域であった。この事は絶滅の危機に瀕する20種類のカエルを救済する目的でパナマとアメリカの9つの機関によって結成されたパナマ両生類救済と保全プロジェクトにとって頭の痛いニュースである。ツボカビ病は世界中で両生類の生息数の急速な減少や絶滅を引き起こしてきた。
ウエスタンパナマのEl Copeにツボカビ病が蔓延するまでの5ヶ月間で50%のカエル種と80%のカエルの個体が絶滅した。「私達はDareinに生息する全種を救済したい。
しかし今それを行なう時間が無い」とスミソニアン保全生物学研究所の生物学者でありパナマ両生類救済と保全プロジェクトの国際コーディネーターであるブライアン・グラトウィック博士は語る。「私達のプロジェクトはこれらの種が絶滅するかもしれない状況を救おうとする1つです。私達は既に捕獲した3種について繁殖に成功しています。時間は間に合わないだろうが残った時間を最大限に生かす為の情報を探しています。」
Darien国立公園は世界遺産となっており現存する中米最大の自然保護区域である。2007年にはスミソニアン熱帯研究所の研究員であるダッグ・ウッドハムス博士がDarienの境界地域の49匹のカエルを試験した時にはどの検体も感染してはいなかった。しかし、2010年1月にはウッドハムス博士は93匹のカエルの2%に感染を発見した。「Darien境界地域のカエルにツボカビ病が見つかる時期は予測より随分早く、勢いの衰えない極端に早いペースで広がるこの菌は真に憂慮すべき問題です」とウッドハムス博士は語る。
パナマ両生類救済と保全プロジェクトは既にDarien地域の固有種上位2種:Pirre harlequin frog (Atelopus glyphus) とToad Mountain harlequin frog (A. certus)についてパナマに捕獲保護保証コロニーを設立した。加えて、スミソニアン国立動物園ではパナマの国家動物であるPanamanian Golden Frogの繁殖プログラムの遂行を続けている。
国際自然保護ユニオンによるとPanamanian Golden Frogは絶滅の危機に瀕しており研究者たちは2008年以来野生種を見ていない。「私達は収容能力の確立を急がねばならない。私達が乗り越えるべきハードルはこれらのカエルを飼育する設備を作るための資金を調達する事である。このハードルを越えるまでは現行以上の種を受け入れる余裕がない」とグラトウィック博士は語る。
世界の両生類の3分の1近くが絶滅するリスクがある。多くの両生類の危機が生息地の減少、気候変化、そして環境汚染の結果であるが、1980年以降120種のカエルの内94種が絶滅したと見做されるがツボカビ病は少なくともその消失に部分的に関与している。「捕獲所で繁殖管理している動物によって、この野生種の病気を抑え直接脅威を緩和するための時間稼ぎが出来る」とホワイトペーパーの主執筆者であるウッドハムス博士は話す。同氏は「両生類の病気:野生種の生息数を維持しツボカビ病を抑える戦略」という報文をFrontiers in Zoology 誌2011年4月18日号に発表した。病気を抑制する手立てを他の分野から系統的に検討し、どうやって野生種のツボカビ病と対抗する手段を構築するのかを研究している内容である。
治療法を見つける取り組みの中で手掛かりとなりそうなのは、カエルの皮膚表面に生育する抗ツボカビ菌バクテリアであり、抗真菌物質を分泌しホストである両生類をツボカビ病から守るプロバイオティクスとしての機能を有する。ウッドハムス博士は、皮膚表面に抗ツボカビ真菌バクテリアを持つPanamanian種のいくつかは、有用な抗真菌化学物質とそれを作るバクテリアを子孫に受け継いでいくことを最近発見した。この発見は専門誌で「両生類における社会免疫:垂直感染による先天防御機構の実証」と紹介され5月のBiotropicaオンライン版に掲載された。
「私達はあらゆる研究を重ね、遂に治療方法を発見した。ウッドハムス博士の発見は防御機能が親から子へと受け継がれていくというものであり、私達が実験室で治療方法の研究を成功裡に進める事が出来るという事であり、野生の両生類を助ける方法を見つけ得るであろう」とグラトウィック博士は語る。
[BioQuick News: Deadly Amphibian Disease Reaches Last Disease-Free Region in Central America">


