ベニゴマダラヒトリの長寿命と解毒酵素の進化
サイエンス出版部 発行書籍
ベニゴマダラヒトリはなぜ、有毒な植物の葉や種を食べ続けることができるのでしょうか? ベニゴマダラヒトリ(Utetheisa ornatrix)は、毒性の強いピロリジジンアルカロイド(pyrrolizidine alkaloids)を含むタヌキマメを好んで食べ、その毒素を利用して卵を守り、天敵を遠ざけ、さらにフェロモンを作り出して異性を引き寄せます。しかし、どのようにしてこれらの毒素を無害化する能力を進化させたのかは不明でした。 新たな研究「Genomic insights into bella moth (Utetheisa ornatrix) adaptation to pyrrolizidine alkaloids」(ピロリジジンアルカロイドへの適応に関するベニゴマダラヒトリのゲノム解析)」がPNAS誌に発表され、研究者らはベニゴマダラヒトリのゲノムを解析し、これらの毒素に対する免疫を付与する可能性のある特定の遺伝子を特定しました。さらに、研究チームは100年以上前のものも含む150の博物館標本のゲノムを解析し、ベニゴマダラヒトリとその近縁種の起源を解明しました。この研究は、乾燥した博物館標本を使用して蝶やガの遺伝的な研究を行った初の事例です。 研究の共著者であるフロリダ自然史博物館のマグワイヤセンターで昆虫多様性のコレクションコーディネーターを務めるアンドレイ・ソウラコフ(Andrei Sourakov)博士(Andrei Sourakov, PhD)は、「博物館標本を使って、通常は複雑な実験室技術を必要とする遺伝的な質問に答えることができることを示した」と述べ、この研究が将来の研究の窓を開くことを期待しています。 続きはAmazon Kindle本のバイオクイックニュース 2024年7月号でお読みいただけます。
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Edited by Michael D. O'Neill
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