植物細胞表面にオーキシン感知信号複合体見つかる
サイエンス出版部 発行書籍
オーキシンは100年ほど前にチャールズ・ダーウィンが発見した小分子の植物ホルモンである。以来長年の間にオーキシンはもっとも重要でもっとも幅広い機能を持った植物ホルモンだということが明らかにされてきた。オーキシンは、ダーウィンが発見した芽の向日性だけでなく、新しい葉、花、根などの形成、根の生長、重力屈性など植物の成長と発生のほとんどすべての面を統御している。 オーキシンのような小さな分子が植物でそれほど重要な役割を果たしていることは何十年にもわたって植物生物学者を悩ませてきた。10年ほど前には細胞核にオーキシン受容信号伝達系が発見されたが、依然としてオーキシンの幅広い役割を説明することができなかった。しかし、最近になってUniversity of California (UC), Riversideの植物細胞生理学者チームが新しいオーキシン受容信号伝達複合体を発見した。この複合体は細胞核ではなく、細胞表面に集まっていた。研究チームは、「この発見で、オーキシンの作用機序に新しいヒントが得られた」と述べており、Department of Botany and Plant Sciencesの細胞生物学教授、Dr. Zhenbiao Yangは、「この発見はオーキシン生物学の新しい出発点となるものであり、この分野への関心が高まるかも知れない。 私たちの研究で植物の細胞外オーキシン受容体の存在を突き止めた。その存在は以前から仮説として出されていたがこれまで確認されていなかった。さらに、オーキシン結合タンパク質のABP1が植物の発生過程を統御する機序は何十年も謎だったが、私たちの研究でそれがようやくつかめた」と述べている。ABP1は40年以上前に発見されていたがその作用機序がつかめないため、最近になってDr. Yangの研究チームが解明するまで、植物生物学者の間でその役割につい
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