抗生物質が効かない感染症に新たな光!牛由来ペプチドの可能性
サイエンス出版部 発行書籍
抗生物質が効かないクレブシエラ・ニューモニエ菌感染症に対して、牛由来の抗菌ペプチドが有効な治療法として期待されているのをご存知ですか? セントラルフロリダ大学医学部のレニー・フリーマン博士(Renee Fleeman, PhD)が行った最新の研究では、抗生物質に耐性を持つ細菌を殺す新たな療法が発見されました。2024年3月13日にCell Reports Physical Scienceに掲載された研究で、フリーマン博士とそのチームは、牛由来の抗菌ペプチドがクレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)菌による治療困難な感染症に対して有効であることを示しました。この菌は腸内に通常は無害に存在しますが、他の部位に侵入すると肺炎、尿路感染症、創傷感染症を引き起こす可能性があります。特に高齢者や糖尿病、癌、腎不全、肝疾患などの健康問題を抱える患者がリスクが高いです。しかし、若年成人や健康な人々でも、現在利用可能な抗生物質で治療できない尿路感染症や創傷感染症を引き起こすことがあります。 このオープンアクセス論文のタイトルは「Polyproline Peptide Targets Klebsiella pneumoniae Polysaccharides to Collapse Biofilms(ポリプロリンペプチドがクレブシエラ・ニューモニエの多糖体をターゲットにしてバイオフィルムを崩壊させる)」です。 CDC(米国疾病予防管理センター)は、抗生物質耐性菌が世界的な健康脅威であると報告しています。2019年の研究によれば、その年に薬剤耐性感染症で死亡した人は世界中で約500万人にのぼります。そのうちの多くがK.ニューモニエによるものであり、抗生物質治療がなければ50%の致死率があります。 これらの細菌はバイオフィルムという粘液の中で生息すると薬に
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Edited by Michael D. O'Neill
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