最近の創薬企業の現状と中分子創薬の重要性


サイエンス出版部 発行書籍

随分、長い間ご無沙汰しておりすみませんでした。昨年に中分子創薬が話題になっているので詳しく説明しますと言いました。しかし、最近の日本の創薬企業はここの研究よりも各社の創薬研究の方向性をどの様にするかが最大のテーマになっていて、中分子創薬がこれから伸びますと話しても各社余り乗り気になってくれません。   そのため「創薬よ何処へ」のテーマでコラムを書いている身としてはこの問題を直ぐに書くかどうか悩んでいるうちにかなりの期間が立ってしまいました。 そこで、今回中分子創薬のテーマに入る前に、最近の日本創薬企業の現状をお話ししたいと思います。 近年創薬研究は以前にコラムでも説明したように低分子・中分子薬からバイオ医薬品と開発研究も多岐にわたっており、更に個別化医療の中で医薬品のバイオマーカーが、またターゲット探索ではプロテオゲノミックスが重要視されてきています。また、抗体や免疫製剤などのバイオ医薬品は開発に多額の費用が掛かります。 このような現状の中で、全ての創薬研究に対応しようとすると多額の資金が必要となり、世界の薬業界のトップ10の会社以外は資金的に総合的な創薬研究が出来ないと言われています。しかし、創薬企業はどのようにするか既に方向性を決めている企業もありますが、多くの特に日本企業は悩んでいるのが現状で、更に一昨年から業績不振の日本企業が多く出ているのが現状です。 このような中で、今後の日本の薬業界が進むべき道は、幾つかの企業の例から考えて小職は大きく3つに分けられると考えています。 一つは企業同士が合併し、世界でトップ10の企業のような資金力を確保して、総合的な創薬研究を進める選択しです。日本政府はこの方向を推薦しているようで、そのために一昨年からリストラをする企業が多いのかとも思われます。 次は大学やベンチャー企業の創薬研究を後押しする、オープンイノベーションを積極

著者: 中山 登
中山 登
このセクションは、(株)Spectro Decypher 取締役&CTO(元・中外製薬株式会社研究本部化学部分析グループ長)中山 登 氏による創薬研究コラムです。
長年、創薬研究に携わってこられた中山氏が、創薬研究の潮流についての雑感や、創薬研究者が直面している課題の解決法などを体験談を踏まえて語っていただきます。
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【中山 登 氏 ご略歴】
昭和48年3月 立命館大学理工学部卒業
昭和48年5月~
昭和56年4月 電気通信大学材料科学科、コロンビア大学化学部研究員
昭和56年6月 日本ロシュ株式会社研究所 入社
平成8年4月 日本ロシュ株式会社研究所天然物化学部、機器分析グループ長
平成16年10月 中外製薬株式会社研究本部化学部分析グループ長
平成21年4月 中外製薬株式会社 定年 シニア職
平成26年4月 中外製薬株式会社 退職
平成26年5月~現在 株式会社バイオシス・テクノロジーズ 取締役&チィーフ・テクニカル・オフサー(CTO)
平成27年4月~平成31年3月 聖マリアンナ医科大学分子病態情報研究講座講師
平成31年1月~現在 株式会社Spectro Decypher 取締役&チィーフ・テクニカル・オフサー(CTO)