新技術を用いた医薬品開発の課題と解決策(1)

サイエンス出版部 発行書籍
今後の医薬品開発の方向性に関して、私は創薬の今後について、核酸医薬とAIを用いた低分子・中分子創薬と、再生医療を応用し作成したiPS細胞を利用した創薬スクリーニングで見つかったリード化合物をDDS技術で疾患ターゲット部位に送る方法が中心になってくると話しました。リード化合物をDDSの技術で疾患のターゲット部位に送る方法が確立すると、個別化医療の目的がほぼ達成されると考えます。 リード化合物の探索は核酸医薬、AIと再生医療の応用で時間とコストは軽減されますが、医薬品開発のところに、DDS化する部分が新たに加わることで時間とコストが掛かります。 そこで、今の医薬品開発の流れをもう一度見直してみましょう。厚生労働省が「臨床研究に関する現状と最近の動向」で医薬品開発にプロセスを以下の図で示しています。 ここで示されているように、医薬品開発には9年から17年の年月が必要です。更に最近は副作用の少ない疾患に選択的な医薬品が求められているため、今まで以上に開発に時間が掛かっています。 リード化合物の探索は時間とコストが軽減されてきていますが、改善されるには「薬物標的の同定」から「リード化合物の最適化」の部分です。ところが、医薬品開発で圧倒的に時間が掛かるのが「非臨床試験」と「臨床試験」の部分で、更に医薬品のDDS化が進むと「非臨床試験」の部分が複雑になり時間も、製剤化のコストも更に掛かると予想されます。また、上記の図では医薬品の成功確率が10年前と比較して非常に低下していると指摘しています。これは「薬物標的の同定」から「リード化合物の最適化」の部分へのAI技術の活用が少なからず起因していると私は考えています。なぜならば、AI技術を用いたリード化合物の探索と最適化は、疾患の目的プロテインと低分子化合物(リガンド)とのバインデングアッセイが中心になります。私が現役のころ数多く
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昭和48年3月 立命館大学理工学部卒業
昭和48年5月~
昭和56年4月 電気通信大学材料科学科、コロンビア大学化学部研究員
昭和56年6月 日本ロシュ株式会社研究所 入社
平成8年4月 日本ロシュ株式会社研究所天然物化学部、機器分析グループ長
平成16年10月 中外製薬株式会社研究本部化学部分析グループ長
平成21年4月 中外製薬株式会社 定年 シニア職
平成26年4月 中外製薬株式会社 退職
平成26年5月~現在 株式会社バイオシス・テクノロジーズ 取締役&チィーフ・テクニカル・オフサー(CTO)
平成27年4月~平成31年3月 聖マリアンナ医科大学分子病態情報研究講座講師
平成31年1月~現在 株式会社Spectro Decypher 取締役&チィーフ・テクニカル・オフサー(CTO)