はじめまして。中山登です。


サイエンス出版部 発行書籍

はじめまして。バイオシス・テクノロジーズの中山登です。 もう中外製薬を退職して2年以上になりますが、未だに「ロシュ・中外の中山さん」とよく言われ、こちらの元の所属の方が皆さん良くご存知のようです。   さてこの度、このコーナーで「創薬よ何処へ」いうテーマでコラムを書くことになりました。 この題名を見て皆さんはこの人は何を考えているのかとお思いになる方もお有かと思います。 しかし、今の創薬は今までの低分子創薬から、今や中分子・抗体・コンジュゲイトや免疫創薬と多種多様になり、私も創薬の今後について見えないことが多くこのコラムを書きながら、皆さんのご意見も参考にさせて頂き何か今後の創薬の方向性が見えてくれば良いと思いペンをとった次第ですので、よろしくお願いします。 ところで、初めに私の創薬研究に入る前と入った後の経歴を私の研究の基盤形成も含めた紹介をします。私は昭和44年4月に立命館大学理工学部に入学しました。 学園紛争の真っただ中で東京大学の入試が無い年で、大学に入ったけれど紛争で殆ど授業がありませんでした。何をしてよいか迷っていた入学2年目に京都大学工学部石油化学科に世界初の超電導マグネットのNMRと装置が入ると聞きました。当時はNMRが何であるか全く知らず、更にまだ大学2回生でしたが、担当する人を探しているとのことでしたので、装置の担当教授だった米澤貞次郎先生の所に行き、新しい装置を担当させて欲しいとお願いしたところ技官として受け入れてくれました。 学園紛争があったおかげで私がNMRに会うことが出来、それから今まで続く私の機器分析分野の人生の始まりでした。 この超電導マグネットのNMR装置(バリアンHR-220)のマグネットは220MHzで、その頃は60MHzのマグネットが主流だったので、脅威的な高磁場でした。そのため、天然物の構造解析やタンバク質の構造解析に

著者: 中山 登
中山 登
このセクションは、(株)Spectro Decypher 取締役&CTO(元・中外製薬株式会社研究本部化学部分析グループ長)中山 登 氏による創薬研究コラムです。
長年、創薬研究に携わってこられた中山氏が、創薬研究の潮流についての雑感や、創薬研究者が直面している課題の解決法などを体験談を踏まえて語っていただきます。
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【中山 登 氏 ご略歴】
昭和48年3月 立命館大学理工学部卒業
昭和48年5月~
昭和56年4月 電気通信大学材料科学科、コロンビア大学化学部研究員
昭和56年6月 日本ロシュ株式会社研究所 入社
平成8年4月 日本ロシュ株式会社研究所天然物化学部、機器分析グループ長
平成16年10月 中外製薬株式会社研究本部化学部分析グループ長
平成21年4月 中外製薬株式会社 定年 シニア職
平成26年4月 中外製薬株式会社 退職
平成26年5月~現在 株式会社バイオシス・テクノロジーズ 取締役&チィーフ・テクニカル・オフサー(CTO)
平成27年4月~平成31年3月 聖マリアンナ医科大学分子病態情報研究講座講師
平成31年1月~現在 株式会社Spectro Decypher 取締役&チィーフ・テクニカル・オフサー(CTO)