酵母をはじめとする様々な生物はバイオ研究の宝庫
サイエンス出版部 発行書籍
2016年10月、ノーベル生理学・医学賞は大隅良典博士に決定しました。最初に申し上げておきますが、大隅先生とは抗体に関わる接点はないです。1 979年、私は今堀和友教授に修士課程の大学院生として弟子入りしました。 研究室は東京大学本郷キャンパスの医学部生化学教室、今堀研の先輩となる大隅先生は、すぐ隣の理学部2号館におられ、植物生体制御学(安楽泰宏教授)研究室で助手をされていました。 私の研究テーマが大腸菌の外膜にある毒素受容体であったことから、大隅先生をはじめ、酵母や大腸菌の膜生化学を得意とする安楽研の皆様から膜たんぱく質研究法を基本から教えていただきました。 オートファジーの話になるとそれから20年近く後、私は医科学研究所いた頃、大隅先生は岡崎の基礎生物学研究所の教授になられて間もない時期かと思います。 朝8時に私のデスクの電話が鳴ります。大 隅:「酵母が飢餓状態になると増えるたんぱく質があるのだけれど、電気泳動ででかくなる。これってどう思う?」 大海:「既知たんぱく質に配列が似ているものないですか? たとえばユビキチンとか。」 大隅:「酵母のユビキチンとは別物で、動物種かえて検索かけても何もでてこない。」 これが正解に近かったのですが、当時はまだユビキチン関連たんぱく質の多様性が研究界で認識されておらず、それ以上突っ込んだ議論はできなかったです。 むしろその頃、私はアポトーシスを抑制するトランスグルタミナーゼにはまっており、たんぱく質を架橋する翻訳後修飾やら二次構造が変わると電気泳動で移動度が変化するなど、ちょっと違った方向へのサジョスチョンをしてしまったように記憶しています。 オートファジー研究は、小さな真核生物である酵母から出発しました。これがヒトをはじめ高等動物にも同じ仕組みとして存在することがわかると、世界中の研究者がよってたか
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著者: 大海 忍
このセクションは、元・東京大学医科学研究所 疾患プロテオミクスラボラトリ 准教授 大海 忍 先生による抗体入門講座です。
抗体に関する様々な話題や抗体実験で注意すべき点などを分かりやすくご紹介します。
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【大海 忍 先生 ご略歴】
1977年 東京大学理学部物理学科卒業
1978年 聖マリアンナ医科大学研究員
1983年 東京都臨床医学総合研究所 技術員
1987年 東京大学医科学研究所 助手
1992年 東京大学医科学研究所 助教授(准教授) 疾患プロテオミクスラボラトリ
2015年 バイオアソシエイツ株式会社 科学顧問に就任
【主な著書】
抗ペプチド抗体実験プロトコール(秀潤社)
細胞工学連載:ラボラトリーひとくちメモ(秀潤社)
抗ペプチド抗体ベーシック 立体構造情報から抗原を設計する(細胞工学 別冊)