たんぱく質の骨
サイエンス出版部 発行書籍
通勤や仕事で外出する際にはカバンをお持ちになることが多いかと思います。好みにも依りますが、ゆったりした大きめのカバンで中身が少ないときは自立しなくてヘナヘナと倒れてしまうことがありますね。そういうときに「カバンの骨」があると良いようです。ご自分で工夫されている方もおられるかもしれませんが、実際に売ってるのを知りました。 値段も手頃で思わずポチってしまいそうです。今回の話題は『たんぱく質の骨』です。たんぱく質が立体構造を持っていることはよく知られています。溶液中での核磁気共鳴解析や結晶化したサンプルを X 線解析してたんぱく質の立体構造は得られ、PDB(Protein Data Bank)などで データベース化されています。一定の形を持ったたんぱく質を加熱したり変性剤にさらすと、構造が壊れてポリペプチド鎖は紐のような状態になります。この紐状化は、たんぱく質の二次構造が崩れて起こります。α-ヘリックスや β-シートに代表される、たんぱく質の二次構造は、比較的近いアミノ酸残基間での相互作用に依存して形成されます。さらに、ポリペプチド鎖が折畳まり 複数個の β-シートが束になって安定化します。これらの二次構造がたんぱく質の骨なのです。 先日、コラーゲンを遺伝子から大量発現させている研究者と話をする得ました。 我々動物のコラーゲンは、三重らせんという特異な構造を持っていますが、これは特定の位置のプロリンが水酸化して4-ヒドロキシプロリンになることが必要です。プロリン残基の修飾はプロリン4-モノオキシゲナーゼが触媒します。 プロリンが修飾されていないコラーゲンは、簡単に水に溶けてサラサラになる、極めて性質の良い扱いやすいたんぱく質です。 また、分解酵素やアルカリ処理に弱く、いわゆる骨なしコラーゲンであります。純化した組換コラーゲンに後からプロリン4-モノオキシゲナーゼを加えて
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著者: 大海 忍
このセクションは、元・東京大学医科学研究所 疾患プロテオミクスラボラトリ 准教授 大海 忍 先生による抗体入門講座です。
抗体に関する様々な話題や抗体実験で注意すべき点などを分かりやすくご紹介します。
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【大海 忍 先生 ご略歴】
1977年 東京大学理学部物理学科卒業
1978年 聖マリアンナ医科大学研究員
1983年 東京都臨床医学総合研究所 技術員
1987年 東京大学医科学研究所 助手
1992年 東京大学医科学研究所 助教授(准教授) 疾患プロテオミクスラボラトリ
2015年 バイオアソシエイツ株式会社 科学顧問に就任
【主な著書】
抗ペプチド抗体実験プロトコール(秀潤社)
細胞工学連載:ラボラトリーひとくちメモ(秀潤社)
抗ペプチド抗体ベーシック 立体構造情報から抗原を設計する(細胞工学 別冊)