良い抗体
サイエンス出版部 発行書籍
研究論文に記載されている抗体は良い抗体だと思いますか? なぜこんな質問をしたかというと、手持ちの抗体を売ってもらう場合、論文を引用できることが必須条件だそうです。 もちろん、発表論文を見ればどんな抗体であるかわかるので、わざわざ効能書きを用意する必要がないです。 いや、未発表抗体のデータよりは論文の方が客観的であるからでしょう。抗体の良し悪しは、計画している実験に活用できるかどうかです。イムノブロット、フローサイトメトリー、免疫沈降、細胞染色、組織切片の染色、電子顕微鏡などさまざまな実験それぞれに最適なものが良い抗体なのです。モノクローン抗体であれば、目的の実験法でスクリーニングすれば目的に合った良い抗体がとれてきます。抗ペプチド抗体ならば、たんぱく質のどの部分を免疫原に使うかでいろいろな抗体がとれます。 やはり、市販抗体を購入するよりは、ご自分で目的にあった抗体を作ることをおすすめします。
ラット・マウスのモノクローナル抗体精製に最適な高性能プロテインA アガロースビーズ Ab-Capcher
microPAC ナノLC キャピラリーLC用カラム
著者: 大海 忍
このセクションは、元・東京大学医科学研究所 疾患プロテオミクスラボラトリ 准教授 大海 忍 先生による抗体入門講座です。
抗体に関する様々な話題や抗体実験で注意すべき点などを分かりやすくご紹介します。
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【大海 忍 先生 ご略歴】
1977年 東京大学理学部物理学科卒業
1978年 聖マリアンナ医科大学研究員
1983年 東京都臨床医学総合研究所 技術員
1987年 東京大学医科学研究所 助手
1992年 東京大学医科学研究所 助教授(准教授) 疾患プロテオミクスラボラトリ
2015年 バイオアソシエイツ株式会社 科学顧問に就任
【主な著書】
抗ペプチド抗体実験プロトコール(秀潤社)
細胞工学連載:ラボラトリーひとくちメモ(秀潤社)
抗ペプチド抗体ベーシック 立体構造情報から抗原を設計する(細胞工学 別冊)