実験操作の「固定」についてです。「固定(fixation)」はもともと、顕微鏡観察用の標本を作成する際に形態を保持するために加熱、凍結、薬品などで処理することをいいます。この過程でたんぱく質は変性・不溶化することが多いです。  抗体を用いた顕微鏡観察やフローサイトメトリーでは、サンプルの固定が必要になることがあります。

 

もちろんここで、抗原抗体の結合が損なわれてはいけないので、固定化条件は比較的温和で、パラホルムアルデヒドなどが多用されます。とはいっても、試薬の濃度や反応温度・時間など、どう設定したらよいか迷うかと思います。手軽な方法を紹介しておきます。

抗原を含むサンプルを SDS-PAGE で分画して PVDF 膜などに転写したイムノブロット用の膜をたくさん用意します。イムノブロットは SDS でたんぱく質を一度変性はさせていますが、いわゆる固定操作はしていませんので、この膜をさまざまな固定条件で処理して最後に PBS あるいは TBS で洗浄、そのあとは通常のイムノブロットの操作をして抗体の結合を調べれば良いわけです。もちろん、顕微鏡用の標本などと全く同じ環境ではありませんが、条件絞り込みの参考にはなります。

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