心の病の根源は胎児期に?最新研究が解き明かす脳発達の謎
心の健康に関する悩みや、アルツハイマー病のような脳の病気。その根源は、私たちが生まれるずっと前、母親のお腹の中にいた頃の、脳が形作られ始めるまさにその瞬間に隠されているのかもしれません。最新の研究が、これまで考えられていたよりもさらに遡った胎児期の脳発達の初期段階に、その起源がある可能性を明らかにしました。これは、私たちの脳と心の健康についての理解を、根底から変えるかもしれない発見です。 この画期的な研究は、バルセロナのデル・マール病院研究所とイェール大学の共同チームによるもので、2025年7月9日付の科学誌「Nature Communications」に掲載されました。研究論文のタイトルは「Early Developmental Origins of Cortical Disorders Modeled in Human Neural Stem Cells(ヒト神経幹細胞でモデル化された皮質障害の初期発生起源)」です。 この研究は、「精神疾患の起源を、胎児期の発達、特に脳の幹細胞という最も初期の段階に探すことに焦点を当てました」と、デル・マール病院研究所の生物医学情報研究プログラム神経ゲノミクス研究グループのコーディネーターであるガブリエル・サントペレ博士(Dr. Gabriel Santpere)は説明します。研究チームは、精神神経疾患、神経変性疾患、皮質形成異常に関連する約3,000の遺伝子リストを用い、これらの遺伝子の変化が脳の発達に関わる細胞にどのような影響を与えるかをシミュレーションしました。その結果、これらの遺伝子の多くが、脳を構築する前駆細胞である幹細胞の段階、つまりニューロンやその支持構造が作られる胎児期のごく初期の段階で、すでに機能していることが示されたのです。 しかし、この成果にたどり着くのは容易ではありませんでした。脳が発達するこの時期を研
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Edited by Michael D. O'Neill

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